第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)14:30〜15:45

シンポジウム 3-1: 周産期における諸問題(胎児診断)

座長: 橋本信夫、坂本博昭

S3-5

脊髄髄膜瘤における出生前診断と分娩形態についての検討
Study of the preterm evaluation and form of delivery of myelomeningocele.

埜中正博 (NONAKA Masahiro) 、寺元千佳、永野大輔、馬場庸平、尾崎友彦、中島 伸、山崎麻美

国立病院機構 大阪医療センター 脳神経外科

近年における胎内診断技術の進歩に伴い、脊髄髄膜瘤が出生前に診断される機会が増えている。出生前診断は出産前の両親の心の準備を整え、出生後の児を受け入れやすくする事に大きな役割を果たしていると推測される。また、出生前診断により分娩形態を選択することが可能であるが、帝王切開と自然分娩を比べ、どちらがその後の治療を進めるに当たって優れているのかどうかについては未だ結論が出ていない。そのため当科での治療例について検討した。 対象となったのは1985年以降に当院にて治療した30例で、分娩形態別にわけ、特に分娩により影響を受けると推測される症候性キアリ奇形の発症率、シャント感染率と髄膜瘤創部の合併症発症率を検討した。 分娩は自然分娩が9例、帝王切開による分娩が21例であった。自然分娩のうち8例が出生前診断されていなかった。帝王切開例は全例出生前診断されていた。髄液シャントは29例に対して実施されていた。減圧術を要する症候性キアリは自然分娩例では22%に認められた一方、帝王切開例では14.3%であった。シャント感染は自然分娩例で22%、帝王切開例では25%であった。術創合併症は帝王切開例のみで9%に認められた。死亡したのは自然分娩例が1例で心奇形によるものであった。また、帝王切開例では2例死亡しているが、これはいずれも症候性キアリ奇形による呼吸器合併症が原因であった。 帝王切開術による分娩は自然分娩と比べ、キアリ奇形の発症を下げることで死亡率を下げ、シャント感染率を改善させる効果があることを確認できなかった。頭囲が大きい例や髄膜瘤が大きい例を除き、自然分娩を検討する余地があるものと考えられた。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目