第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第1日目、6月4日(金)A 会場(3階 メインホール)15:45〜17:00

シンポジウム 3-2: 周産期における諸問題(脳外科医の役割)

座長: 鈴木倫保、伊達裕昭

S3-7

周産期・新生児医療における諸問題と脳神経外科医の役割
Neurosurgeon's role in perinatal and neonatal medical care

重田裕明 (SHIGETA Hiroaki) 1、宮入洋祐 1、本郷一博 2

長野県立こども病院 脳神経外科 1、信州大学 医学部 脳神経外科 2

【目的】こども病院での胎児・新生児の診療経験から、周産期・新生児医療における諸問題と脳神経外科医の役割を考える。【対象と方法】過去15年間に当院NICUで脳神経外科が診療を担当した109例と生後1か月までに当科外来を受診した174例の合計283例を、診断、両親への情報提供と信頼関係、治療方針の決定、治療、継続的診療などの観点から分析検討した。【結果】1)疾患内訳は脊髄髄膜瘤34例、脊髄脂肪腫26例、二分頭蓋8例、頭蓋内出血37例、早産児脳室内出血は21例でそのうち水頭症合併は17例、胎児期脳室内出血4例、先天性水頭症(脊髄髄膜瘤を除く)16例、嚢胞性疾患9例、頭蓋縫合早期癒合症15例などであった。2)胎児診断された42例中で脳室拡大は32例あり、水頭症として治療したのは29例であった。脊髄髄膜瘤は19例で診断された。3) 胎児診断される脊髄髄膜瘤は近年増加し、両親へ出生前から充分に時間をかけた説明と関係構築が可能になり、出生後の治療受容と進捗は良好であった。4)早産児脳室内出血後水頭症は、髄液リザーバーでの早期髄液排除とV-Pシャントに対する治療受容は良好だが、DQが80以上は30%に留まった。5)頭蓋内出血の原因は外傷、脳低酸素症、静脈血栓症、出血傾向、不明など多彩であった。6)奇形合併の先天性水頭症は予後不良であった。7)クモ膜嚢胞、頭蓋骨縫合早期癒合症などでは、急速な病態進行によって早期手術の必要な例もあり、脳神経外科医の診療への早期参加が手術時期決定に重要であった。【結論】周産期・新生児期の疾患は多様で複数手術や長期の治療を要する。脳神経外科医には、早期に診療に参加し適切な画像検査による診断を行い、両親との充分な同意に基づく治療方針を示して最適な時期に治療を提供し、家族サポートも包括した多職種協力の長期総合医療体制の中での大きな役割が求められている。

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