第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)8:20〜9:30

シンポジウム 4: 神経内視鏡治療の適応と問題点

座長: 冨永悌二、林 央周

S4-6

水頭症に対する神経内視鏡下第3脳室底開窓術—10年間以上の長期転帰良好例の分析からみた適応と問題点—
Long team follow up and evaluation of endoscopic third ventriculstomy (ETV) for non-communicating hydrocephalus

三木 保 (MIKI Tamotsu) 1、冨田丈博 1、中村達也 1、大橋智生 1、深見真二郎 2、和田 淳 2、中島伸幸 2

東京医科大学茨城医療センター 脳神経外科 1、東京医科大学 脳神経外科 2

【目的】非交通性水頭症に対する第3脳室底開窓術(ETV)の10年間以上の長期転帰良好例の分析を行い、ETVの適応と経過観察の問題点を明らかにする。【対象と方法】1995年1月〜1999年12月までに行ったETVは29例であった。原因疾患は中脳水道狭窄症8例(内Long-standing overt ventriculomegaly in adults :LOVA3例)、第4脳室出口閉塞2例、脳腫瘍17例、脳室内出血1例、髄膜炎1例であった。これらの10年のend pointにおける転帰は(1)ETV無効でシャントに移行した4症例(14%)(2)ETV有効であったが他の原因(主に悪性脳腫瘍)で死亡した9症例(31%)、(3)ETVが10年間以上の有効であった16症例(52%)である。この長期転帰良好例の臨床像について検討した。【結果】長期転帰良好15例の年齢は5〜73才(平均30才)、経過観察期間は10年〜14年11ヶ月(平均12年4ヶ月)であった。術前症状は頭蓋内圧亢進13例、正常圧水頭症様症状2例、尚シャント術既往は2例であった。原因疾患は中脳水道狭窄症8例中7例(88%)(内LOVA3例(100%)、良性腫瘍9例中6例(66%)、第4脳室出口閉塞2例(100%)であった。術後、全例症状の改善をみたが、正常圧水頭症様症状の改善はやや遅れた。術後脳室系の経時的形態学的評価 では、術後早期において第3脳室が側脳室より先に縮小、安定し、また1年以降でも側脳室の縮小傾向を示す症例も見られた。これらは特に腫瘍に因るものに顕著であった。しかし4年以降には脳室の形態変化は見られなかった。MRI矢状断CISS imageを行えた9例全例でstomaの開存を確認できた。【結語】幼児期以降の中脳水道狭窄症、特にLOVA、第4脳室出口閉塞、腫瘍などに因る水頭症に対するETVは長期にわたり高い有効性が確認された。適正な適応と確実なETVを行えば長期成績は良好であるが、シャント術同様に慎重な経過観察は必要である。

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