第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)10:00〜11:20

シンポジウム 5: 無症候性脊髄脂肪腫の治療

座長: 新井 一、長坂昌登

S5-2

脊髄脂肪腫の自然歴と手術適応に関する多施設共同調査:2006-2009の結果報告
Multicenter prospective study on natural history and surgical indication of spinal lipoma

野村貞宏 (NOMURA Sadahiro) 1、大井静雄 2、長坂昌登 3、西本 博 4、新井 一 5、白根礼造 6、伊達裕昭 7、稲垣隆介 8、鈴木倫保 1

山口大学 脳神経外科 1、慈恵大学総合母子健康医療センター 小児脳神経外科 2、愛知県心身障害者コロニー中央病院 脳神経外科 3、埼玉県立小児医療センター 脳神経外科 4、順天堂大学 脳神経外科 5、宮城県立こども病院 脳神経外科 6、千葉県こども病院 脳神経外科 7、関西医科大学 脳神経外科 8

【目的】無症候性脊髄脂肪腫の自然歴と手術適応を検討するため、全国7施設で行っている共同調査の結果を報告する。【方法】登録数は175(無症候性99例、症候性76例)で、登録時年齢は3.4±8.3 歳 、男女比は86対89であった。脂肪腫タイプ別症例数はdorsal type 31例、caudal type 25例、transitional type 37例、filar type 47例、lipomyelomeningoceleとlipomyelomeningocystceleを合わせて(LMMCとする)35例であった。各タイプごとの発症曲線をKaplan-Meier法で求め自然歴とした。無症候性、症候性それぞれ手術成績を求めた。観察期間は平均1.5年である。【成績】全脂肪腫の10歳時の有症率は55%であった。最も有症率が低かったのはfilar type で32%であった。transitional type(78%) とLMMC(68%)の有症率は高く、LMMCは出生時から症候性例が多かったのに対し、Transitional type は経年齢的に症候性例が増加した。無症候性99例のうち82例が手術を受け、2例(2.4%)が症候化した。手術を受けなかった17例のうち2例(11.8%)が経過観察中に症候化した。症候性例の術後改善は 26%にあり、7.2%は正常化した。悪化は5.8%にみられた。脂肪腫タイプ別の改善、悪化傾向はなかった。発症から手術までの期間と術後症状改善率には関連がなかった。【結論】脊髄脂肪腫の自然歴はタイプにより異なっていた。無症候性例の大部分は術後にも無症候であったのに対し、症候性例は早期に手術を行っても症状の維持にとどまることが多かった。手術適応決定には長期の術後観察を要するが、短期結果からは予防的手術が安全で有効であることが示された。

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