第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)10:00〜11:20

シンポジウム 5: 無症候性脊髄脂肪腫の治療

座長: 新井 一、長坂昌登

S5-3

無症候性脊髄円錐部脂肪腫に対する長期手術成績
Surgical outcome for asymptomatic spinal lipomatous malformation

室井愛 (MUROI Ai) 、マッコームゴードン (McComb J. Gordon)

ロサンゼルス小児病院 脳神経外科

Division of Neurosurgery, Childrens Hospital Los Angeles, Los Angeles, U.S.A.

目的】脊髄円錐部脂肪腫に関しては、自然歴や手術方法などに対する議論が続いている。我々の施設では無症候性の症例に対しても画像上脊髄係留を呈していた場合予防手術を行っており、手術に際して脂肪組織の全摘除は目指していない。手術例に対して長期成績を検討する。【方法】1990-2009年に当施設で脊髄円錐部脂肪腫に対する手術を行った281手術を対象とした。初回手術は227例(平均32.7ヶ月,男女比104: 123)、再手術は54例(他施設での初回手術例を含む)。全患者とも術前・術後ともに多科による二分脊椎クリニックでの評価を受けている。症状、画像所見、術後合併症、長期予後について後方視的に検討した。終糸肥厚による脊髄係留の症例は除外した。【結果】初回手術例において無症候性が130例(平均15.4ヶ月)、症候性が97例(平均55.7ヶ月)であった。周術期の合併症は感染7%、皮下髄液貯留7%、一過性排尿機能悪化 9%、神経症状悪化1%(重複あり)であった。術前の症状と比較して長期経過における症状悪化は無症候群で15%、症候群で17%に、症候群における症状改善は28%にみられた。再係留に対する再手術は4%に行われた。再手術例は全例症候性であり、前手術からの期間は平均99.4ヶ月で長期予後は症状改善が29%、症状悪化が14%に見られた。【結論】我々の施設における術後長期経過における症状悪化は報告例と比べて劣るものではなかった。しかし再係留による症状の悪化は初回術後長期間を経て起こることが多いため、長期にわたる多科による経過観察が必要である。

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