第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)10:00〜11:20

シンポジウム 5: 無症候性脊髄脂肪腫の治療

座長: 新井 一、長坂昌登

S5-4

脊髄脂肪腫手術における周術期合併症と術後係留による症状出現の検討
Postopreative complication and retethering after lipoma surgery.

埜中正博 (NONAKA Masahiro) 、馬場庸平、尾崎友彦、永野大輔、山際啓典、中島 伸、山崎麻美

国立病院機構 大阪医療センター 脳神経外科

無症候性脊髄脂肪腫手術の是非を議論する際においては、手術合併症、術後再係留の頻度、症状出現時の手術での回復の有無を調べる必要がある。当院にて実施した脊髄脂肪腫の手術で前記の項目を検討した。対象としたのは2003年より現在まで筆頭著者が術者として実施した脊髄脂肪腫44例である。初回手術は30例で、うち無症候性は25例、症候性は5例であった。症候性は排尿機能障害が出現し、間欠導尿を要している例は3例、下肢の変形が出現している例は2例であった。無症候性例のうち、4例で再手術を行っている。そのほか10例は過去に他術者による手術歴があり、再係留等により再手術となった例である。下肢機能は整形外科医により、また排尿機能は泌尿器科医により評価した。筆者が手術した無症候性の症例のうち、周術期合併症は認められなかったが、4例で再手術を要した。手術した理由は2例で排尿機能検査にて過緊張性膀胱が判明, 1例が膀胱変形と尿の尿管への逆流を認め導尿が必要となった例で、1例は脂肪腫の再増大によるものであった。初回手術から2回目の手術までの間は平均2年3ヶ月であった。手術により過緊張性膀胱は改善したが、導尿を要している例の導尿離脱はできなかった。一方症候性5例のうち、排尿機能障害が出現していた例は3例とも導尿からの離脱はできなかった。また下肢の変形が出現している例では2例とも術後麻痺が悪化し、1例は改善せずアキレス腱移行術が必要であった。 無症候性脊髄脂肪腫は周術期の合併症が少なく、予防的手術は安全に行える可能性が示された。一方症候性となって、排尿機能障害が重く導尿を要する例では手術による回復は困難であると推測された。また、下肢運動障害が出現している例は術後悪化しやすい可能性があると考えられた。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目