第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)10:00〜11:20

シンポジウム 5: 無症候性脊髄脂肪腫の治療

座長: 新井 一、長坂昌登

S5-5

無症候性脊髄脂肪腫に対する手術成績に関する問題点の検討
Problems of the evaluation of surgical result for asymptomatic spinal lipomas

栗原 淳 (KURIHARA Jun)、大高稔晴、西本 博

埼玉県立小児医療センター 脳神経外科

【目的】無症候性脊髄脂肪腫に対する手術適応に関しては一定の見解がないのが現状である。本研究は無症候性脊髄脂肪腫の手術成績と治療評価の問題点を明らかにすることを目的とした。【方法】1984年から2009年までに当センターにて手術を施行した脊髄脂肪腫157例を対象とし、無症候性脊髄脂肪腫の頻度および神経学的所見に関して検討を行った。神経学的所見の評価にはSpina Bifida Neurological scoresを用い、2004年以降は術前の膀胱内圧検査と術後の排尿機能との関連を評価した。【結果】無症候性脊髄脂肪腫の頻度はdorsal型43例(78%)、caudal型20例(69%)transitional型2例(14%)、filar型34例(97%)、脊髄脂肪髄膜瘤(LMMC)7例(15%)であり、transitional型およびLMMCでは無症候の症例が少なかった。術後の症状増悪率はdorsal型1例(2%)、caudal型2例(7%)transitional型3例(21%)、filar型1例(3%)、LMMC 7例(29%)であり、transitional型およびLMMCで症状増悪率が高かった。しかし無症候性脊髄脂肪腫での症状増悪例は1例(1%)のみであった。膀胱内圧検査を施行した31例においては13例(42%)に異常所見を認めたが、術後に排尿障害を認めた症例は8例(26%)であった。このうち術前の膀胱内圧検査にて異常を認めなかった症例は3例であり、いずれもtransitional型およびLMMCであった。transitional型の1例は無症候性であった。【結論】無症候性脊髄脂肪腫はtransitional型およびLMMCでは頻度が低かった。transitional型およびLMMCでは術前の膀胱内圧検査にて異常を認めない症例においても排尿障害が明らかとなる症例があり、膀胱内圧検査の評価には注意が必要である。また無症候性脊髄脂肪腫の手術成績は神経症状の増悪率をみる限り良好であり、積極的な手術適応があるものと考えられる。

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