第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)14:40〜16:00

シンポジウム 6: 小児悪性脳腫瘍の集学的治療

座長: 吉峰俊樹、師田信人

S6-1

3歳未満の髄芽腫に対する集学的治療
Multidisciplinary treatment of medulloblastomas under 3 years-old

長嶋達也 (Nagashima Tatsuya) 、河村淳史、山元一樹、堀 達雄

兵庫県立こども病院 脳神経外科

 髄芽腫の治療成績の向上と共に晩期障害の克服が重要な課題となっており、3歳未満の小児では化学療法を先行して放射線治療を避けることが標準となっている。ハイリスクに分類される3歳未満例に対する放射線照射の減量と化学療法の強化による治療成績について検討を加えた。【対象・方法】2001-2009年に経験した小児脳腫瘍161例のうち髄芽腫は17例である。そのうち3歳未満に治療を開始し3年以上経過した6例を対象として手術、化学療法、放射線治療、生存率につき検討を加えた。3例は3歳に達した後に全脳脊髄18Gy、局所50Gyの放射線照射を加えた。化学療法終了時に3歳未満の2例は、大量化学療法と末梢血幹細胞移植を加えて放射線照射は行わなかった。【結果】(1)手術は4例が肉眼的全摘出、2例は残存腫瘍1.5平方cm以下の摘出であった。(2)6例中5例(83%)が3年以上完全寛解中、3例が6年以上の完全寛解を維持している。死亡の1例は開心術後のため減量化学療法中の再発死亡であった。(3)放射線照射を行った3例中2例は6才を超えて正常知能(IQ90以上)を維持している。1例は自閉症のため評価できない。(4)放射線照射を行わなかった2例は、3年、6年の完全寛解を維持し正常知能を保っている。【結論】(1)ハイリスク群とされる3歳未満の髄芽腫に対しても、放射線減量と化学療法強化による治療に期待が持たれる。(2)乳児期の手術と大量化学療法によって完全寛解が3歳まで維持している例の中に、放射線治療なしで良好な経過をたどるものがある。

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