第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

前の演題 次の演題

第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)14:40〜16:00

シンポジウム 6: 小児悪性脳腫瘍の集学的治療

座長: 吉峰俊樹、師田信人

S6-2

本邦における3才以上の髄芽腫治療の今後の動向
Therapeutic strategy for medullobllastoma in Japan

杉山一彦 (SUGIYAMA Kazuhiko) 、山崎文之、梶原佳則、齋藤太一、渡邉陽祐、碓井 智、栗栖薫

広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経外科

【目的】COG-A9961の第3相試験報告以降、Average-risk群の標準治療はPackerレジメンA法、B法となった。しかし、本邦と欧米との保険制度/薬剤法規の差のためスムーズな運用が困難な状況である。3才以上poor-risk群に対しては放治技術向上により第2相試験レベルで5年生存率60%以上の成績が散見される。本邦の現状を勘案し、治療の方向性を考察する。【考察】Average-risk群に対する治療法は放治後の化療という大筋は定着しているが、薬剤選択の問題がある。Packer-AはCCNUが未発売であり、同薬と等価のACNU量が未決定である。Packer-BはCYPの効能疾患に髄芽腫が明記されていない。現実的には院内IRBの承認のもとPacker-Bを選択する案と放治後本邦で保険承認のあるICE化療を行う案が考えられる。我々は後者を行っており、本会でその初期成績を報告する。3才以上poor-risk群に対する治療は放治/化療の順や化療レジメンには考え方に大きな差があり症例も限定されるため第3相試験の報告はない。しかし本群への放治の進歩は目を見張る。Hyper-fractionationを用いた報告(CCG9931)やSt.Jude96の如くM-0/1症例には全脳/全脊髄36-40Gy照射を基本とし、M-2症例には播種病変局在が脊髄/脳にかかわらず10Gy前後の追加照射が標準治療となりつつある。また、IMRT、Tomotherapy、陽子線等より脳幹/視床下部/海馬/蝸牛/椎体/脊柱起立筋等への照射回避もQOL重視の面より重要である。【結論】本邦で髄芽腫に対していかなる治療法を遂行するにせよ、標準治療の候補となるためには5年で50例以上の前向き試験と独立したデータセンターが必要である。治療装置だけでなく神経腫瘍治療医や放射線治療医を具備した治療施設のセンター化と小児特定疾患制度の再考、脳外科医全体の臨床試験への習熟、資金獲得の努力が今後の髄芽腫治療のカギとなる。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目