第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)14:40〜16:00

シンポジウム 6: 小児悪性脳腫瘍の集学的治療

座長: 吉峰俊樹、師田信人

S6-3

再発髄芽腫に対する集学的治療
Chemotherapies and stereotactic radiosurgeries for recurrent medulloblastomas

香川尚己 (KAGAWA Naoki) 、千葉泰良、橋本直哉、吉峰俊樹

大阪大学大学院 医学系研究科 脳神経外科

【目的】化学療法の発達により初発時の髄芽腫に対する治療成績は著明に向上した。しかし、髄芽腫の薬剤耐性や分子遺伝学的機構は完全に解明されておらず、再発例に対する有効な治療法も明らかとなっていない。今回私達は、当院で治療した髄芽腫症例のうち、再発例に対する集学的治療とその治療成績について報告する。【対象と方法】1994年から2010年1月までの間に当院で治療した髄芽腫は25例であり、治療時は年齢3歳未満6例、男児12例、女児13例であった。そのうち、標準リスク群は8例、高リスク群は17例であった。全例で手術後、日本小児脳腫瘍コンソーシアムのプロトコールにより集学的療法を行った。再発例に対する集学的療法とその治療成績について検討した。【結果】標準リスク群は5年生存率83%であったが、再発が6例であった。この中には脊髄未照射例が2例存在した。再発までの平均期間は2.8年と長く、2年以上経過して発症した3症例は、ともに脳室壁に結節を形成する病変を呈した。1例で水頭症治療の際に生検を行い、髄芽腫細胞の脳実質への浸潤を確認した。これら3例への治療は、大量化学療法や抗癌剤髄注は効果が少なく、定位放射線治療とtemozolomideやVP-16の内服治療にてPRもしくはSDの状態を保つことが可能であり、再発後平均5.26年の生存が得られた。高リスク群の5年生存率は80.0%であった。再発した4例は2年以内の発症で化学療法に対して治療抵抗性であり、治療後平均6カ月で死亡した。標準リスク群、高リスク群ともに再発と年齢、治療前播種、手術摘出度との間には明らかな相関関係を認めなかった。【まとめ】高リスク群に発生した再発例は治療抵抗性であったが、標準リスク群での再発はtemozolomideや定位放射線治療を併用することにより進行を遅らせることが可能な症例が存在すると考えられた。

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