第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)14:40〜16:00

シンポジウム 6: 小児悪性脳腫瘍の集学的治療

座長: 吉峰俊樹、師田信人

S6-4

後頭蓋窩上衣腫に対する集学的治療とその臨床分析
Clinical analysis for multidisciplinary approach to ependymoma in posterior fossa

宮川 正 (MIYAGAWA Tadashi) 1, 2、安藤 亮 1、沼田 理 1、伊達裕昭 1、伊藤千秋 1

千葉県こども病院 脳神経外科 1、東京都立小児総合医療センター 脳神経外科 2

【目的】小児後頭蓋窩に発生する上衣腫は、集学的治療の進歩により治療成績が向上しているものの、やがて再発し、致死的となることも多く、未だに満足しうる成績が得られていない。その要因を探るため、千葉県こども病院における集学的治療とその治療成績について臨床分析を行った。【対象・方法】1990年以降、当院で初期治療を行った小児後頭蓋窩上衣腫8例を対象とした。全例、腫瘍摘出術(TmR)、化学療法(CT)、放射線治療(RT)を組み合わせた集学的治療が施行された。TmRから再発・再増大(Re)までの期間等の数量的分析を行うと共に、治療内容とその成績について検討した。【結果】病理診断は、上衣腫6例、退形成性上衣腫2例で、7例は3歳以下で発症していた。手術時平均年齢2.6歳(0.9-10歳)、平均観察期間6.1年(1.4-17.5年)、生存2例、死亡6例であった。経過中、腫瘍が再発・再増大したのは7例、1回目のTmRからReまでは平均2.1年(0.8-6.2年)、Reを認めた7例中6例は死亡し、Reから死亡までは平均1.6年(0.2-2.9年)であった。腫瘍再増大時に治療を拒否した1例を除き、全例で複数回(平均2.6回)のTmRが行われていた。初回治療時、腫瘍全摘と判断したものは3例あったが、2例は局所再発を起こした。TmR+CTが初期治療として行われた3例は、Reまでの期間が短かった。また、全例で後頭蓋窩には41.4Gy以上のRTが行われていた。そのうち4例ではReのために追加照射が施行されたが、全例死亡した。【結論】後頭蓋窩に発生する上衣腫は、脳幹付着や外側進展のために全摘が困難な症例があること、また、全摘と判断した場合でも局所再発が多く、残存腫瘍を認める症例も含めて、腫瘍の局所制御が上衣腫治療の最大の課題であると考えられた。それを克服するためには、second look surgeryを含めた、初期段階での計画的な治療戦略が重要である。

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