第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)16:00〜17:10

シンポジウム 7: 頭蓋骨縫合早期癒合症の長期治療成績

座長: 西本 博、宮嶋雅一

S7-2

頭蓋骨縫合早期癒合症の長期治療成績は頭蓋骨骨延長術の導入により改善したか?—特にFronto-orbital advancementを施行した症例の検討からー
Long-term surgical results of craniosynostosis following fronto-orbital advancements using remodeling or distraction methods

西本 博 (NISHIMOTO Hiroshi) 1、栗原 淳 1、大高稔晴 1、渡邊彰二 2

埼玉県立小児医療センター 脳神経外科 1、埼玉県立小児医療センター 形成外科 2

【目的】頭蓋骨縫合早期癒合症(CS)の長期治療成績が頭蓋骨骨延長術(DIS)の導入により、改善されたか否かを明確にするため検討を行った。【対象症例および方法】1984年8月−2009年11月に当センターにて初回手術を施行したCS症例122例中でfronto-orbital advancement(FOA)を施行した74例について、病型(非症候群性NSY-CSおよび症候群性SY-CS)、術式(従来法CFOAおよび骨延長法DIS)などと形態学的治療成績を比較検討し上記を明らかにした。DISは2000年10月以降に導入されている。治療成績はWagner JDら(1995)の基準にて評価した。【結果】(1)CS122例中でFOAを施行し長期に経過観察されている症例は74例あり、このうちでNSY-CSは42例、SY-CSは32例であった。初回FOAの選択術式は、NSY-CS群ではCFOA 35例、DIS 7例であり、SY-CS群ではCFOA 21例、DIS 11例であった。(2)2000年10月にDISが導入された後では、DISは主としてSY-CSに施行されており、NSY-CSにてDISを施行した症例は、brachycephaly、plagiocephalyの一部、oxycephalyであり、trigonocephalyに対してDISを用いた症例はなかった。また、Apert症候群5例についてはすべてCFOAが施行されていた。(3)CFOAとDISとの間にて治療成績を比較検討してみると、NSY-CS群では形態学的治療成績ならびに再手術率ともに有意な改善傾向は認められなかった。それに反して、SY-CS群については、CFOA施行例では治療成績不良例(grade 3) 29%、再手術率43%であったのが、DIS施行例では治療成績不良例や再手術例は1例もなかった。【結論】FOAを施行したCSの長期治療成績は、骨延長法の導入により、特に症候群性CSの治療成績に顕著な改善が認められた。従って、症候群性CSにおけるFOAでは、骨延長法を第1選択にすべきである。

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