第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)16:00〜17:10

シンポジウム 7: 頭蓋骨縫合早期癒合症の長期治療成績

座長: 西本 博、宮嶋雅一

S7-3

症候群性頭蓋骨縫合早期癒合症の初期治療
Initial treatment of syndromic craniosynostosis

坂本博昭 (SAKAMOTO Hiroaki) 1、松阪康弘 1、寺田愛子 1、吉村政樹 1、今井啓介 2、藤本卓也 2

大阪市立総合医療センター 小児医療センター 小児脳神経外科 1、大阪市立総合医療センター 形成外科 2

【目的】症候群性の頭蓋骨縫合早癒合症は頭蓋の狭小化や高度の変形をきたしやすく、上顎骨の低形成を含めた種々の先天性病変を伴う。当院で初期治療を行った例の治療結果を検討した。【方法】1995年〜2009年までの51例を対象とし、外表所見よりCrouzon症候群18例、Apert症候群17例、Pfeiffer症候群7例(クローバー葉頭蓋4例)、その他の症候群性の疾患6例、表現型では診断できなかった3例(2例で遺伝子検査を行ったがFGFR遺伝子の異常は検出されず)であった。頭蓋形成術後の経過観察は平均7年間で、19例は5年間以上である。【結果】上顎骨の低形成による上気道狭窄のため気管切開を必要とした例は6例で、生後1か月以内が3例あった。シャントを必要とした水頭症の合併は8例で、クローバー葉頭蓋、Crouzon症候群で多く、主に生後6か月までに行った。小脳扁桃下垂に伴う脊髄空洞を呈した1例で大孔部減圧を行い術後に改善した。全例で両側冠状縫合を含めた複数縫合早期癒合を呈し、fronto-orbital advancementを基本とした頭蓋拡大形成を行った。1998年までに治療した6例と2歳以後の年長児の3例を除いた42例で骨延長法を用い、主に生後3か月〜10か月に行った。1例は術中の硬膜損傷が修復できず従来の開頭法に術式を変更し、1例は硬膜外膿瘍のため骨延長を中止した。術後慢性期に頭蓋内圧亢進のため再度頭蓋拡大術を要したのは、1歳までに開頭法を用いた全例で、骨延長法ではApert症候群の2例のみである。死亡した2例の原因は1歳時に消化管形成異常による合併症、2歳時に気管切開部からの出血であった。【結論】症候群性の例では合併する複数病変の治療が必要で、特に呼吸管理は重要である。骨延長法は手術操作や術後管理に習熟する必要があるが、1歳未満の症候群性の例でも十分な頭蓋の拡大が得られ、再手術を要する例は少なかった。

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