第38回日本小児神経外科学会
The 38th Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Neurosurgery

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第2日目、6月5日(土)A 会場(3階 メインホール)16:00〜17:10

シンポジウム 7: 頭蓋骨縫合早期癒合症の長期治療成績

座長: 西本 博、宮嶋雅一

S7-5

術後10年以上経過をみたCrouzon症候群の長期予後〜Apert症候群との比較
Long term follow-up of Crouzon syndrome after cranial surgery: differences from Apert syndrome

伊藤 進 (ITO Susumu) 1、小林眞司 2、鮑 智伸 2、錦織岳史 2、関戸謙一 3、佐藤博信 4、山口和郎 5、鳥飼勝行 6、山本 康 7

神奈川県立こども医療センター 脳神経外科 1、神奈川県立こども医療センター 形成外科 2、せきど脳神経外科クリニック 3、神奈川リハビリテーション病院 脳神経外科 4、湘南病院 脳神経外科 5、横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 形成外科 6、横浜市立大学医学部 形成外科 7

<目的>FGFR遺伝子異常が確認されたCrouzon症候群で、頭蓋手術後10年以上の経過を観察した症例の長期予後を分析する。<対象・方法>対象は、FGFR遺伝子異常が確認され、頭蓋手術後10年以上の経過を観察し得た、Crouzon症候群の11例(兄弟例1組を含む)。頭蓋の手術法、手術時期、知能予後、等についてretrospectiveに検討した。また、Apert症候群で10年以上経過を観察した11例とも比較検討した。<結果>フォローアップ期間は、13年4ヶ月〜22年5ヶ月(平均17.3年)、フォローアップ最終時の年齢は、17才5ヶ月〜25才。初回の頭蓋手術時年齢は、8ヶ月〜6才4ヶ月(平均2.4才)で、初回の手術が3才以降に行われていた例が3例あった。また、11例中、頭蓋手術が1回のみであった例は6例、2回以上の手術を行っていたもの5例であった。2回以上の手術を行っていた5例中2例は、初回手術が他院でのlinear craniectomyであったため、その後frontoorbital advancementが行われた。また、frontoorbital advancement後に再狭窄のため、頭蓋の拡大を要したものは2例(8年4ヶ月後、11年9ヶ月後)であった。これに対し、Apert症候群では、全例で乳児期に初回の頭蓋手術が行われ、11例中10例で2回の頭蓋手術が必要であった点がCrouzonと異なっていた。Crouzon症例の知能・社会生活の予後については、10例中8例でIQ・DQが90以上あり、多くは専門学校等への修学が得られていたが、発達遅滞を残している例や症候性てんかんで投薬が必要な例もみられた。<結語>乳児期より短頭蓋を呈するApert症候群に比べ、Crouzon症候群では頭蓋狭窄が生後、緩徐に進行する傾向がみられる。多縫合の早期癒合による頭蓋内圧亢進が発達へ悪影響を及ぼす可能性があり、早期の診断と適切な頭蓋の拡大が重要と考える。

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