くわしい内容で、かつ、軽いことを心掛けたので、一部見苦しいかもしれませんが、おゆるし下さい。
随時、更新してゆきたいと思います。 ![]()
目 次
扁桃表面の白いものは何? ![]()
質問
男性28歳(タバコ全く吸いません)です。 たまに、口の奥(のどの方)から、白い固まりのようなもの(ご飯粒の半分くらいの大きさで、柔らかい)が出てきます。 臭いものです。一体、これは何でしょう。 また、何かの病気なのでしょうか。お教えください。
回答
最近、多い質問ですね。 ご心配のものは、扁桃腺にたまる細菌の死骸です。 へそのゴマみたいなもんです。 扁桃腺の垢でしょうか。 厳密に言えば、慢性扁桃炎の状態なのですが、 頻回に扁桃腺が腫れたり高い熱が出ることがなければ、 うがいの習慣を心がけるだけで十分ですよ。 とくに、問題のある病気というわけではありません。ご心配なく。
突発性難聴の予後と治療について教えて下さい
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質問
私の父は、数年来聴力が若干低下しており、補聴器等を使用しています。ただ、日常の会話、電話、テレビ等に関しては多少音声(音量)を大きくすれば、補聴器無しでも問題はありませんでした。ところが、4月3日、職場で突然耳の聞こえが悪くなり、地元の耳鼻科に行ったところ、鼻の炎症が起因していると言われ、数日間通いましたが、改善が見られないため、大事をとって10日に総合病院に行ったところ、突発性難聴の可能性があるとのことで、入院を進められました。難聴の特徴としては、音が反響して更に、水の中で話を聞いているようだとのことです。最初の処置としてステロイド剤(との説明でした)の点滴を受け、その後仕事上の引継ぎを済ませ11日に入院しました。 そこで、質問させて頂きたいのは、 この病気の一般的な予後について 退院後の日常生活における注意点、 その他注意事項等、お忙しいとは思いますが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
回答
突発性難聴の予後を左右する条件はいくつかあります。 1. 年齢 2. 聴力低下の程度 3. 発症から治療開始までの期間 4. 合併症の有無 です。年齢は、当然ながら若い方が良好です。この病気に限らず、ダメージから回復する能力が若い人ほど優れているためです。 聴力低下の程度は、少ない方が良好です。 聴力低下が少ない場合、ダメージの程度が軽いと考えられるからです。 発症から治療開始までの期間は、早いほど良いとされています。 一般的には発症から2週間をこえて治療が開始された場合、治る可能性は非常に低いとされています。
合併症は、糖尿病、動脈硬化、高血圧、リウマチなどが問題になります。 突発性難聴の原因はいまだに不明ですが、 内耳血管の閉塞や出血、内耳へのウイルス感染などが原因として有力とされています。 発症する直前に睡眠不足やストレスがある場合が多いようです。 糖尿病、動脈硬化、高血圧、リウマチなどは内耳の血管に悪影響を及ぼします。 これらが存在すると、一概には言えませんが難聴が治りにくいことが多いようです。
突発性難聴の治療の原則は 1. 早期治療開始 2. 安静(入院が望ましい) 3. 血管拡張剤、ビタミン、ステロイドの投与です。 先生の好みや施設の状況により 酸素吸入、高圧酸素療法、プロスタグランジン製剤、星状神経節ブロックなどが 追加される場合があります。
突発性難聴の日常生活における注意点
突発性難聴の発症にはストレスが関与することが多いと考えられています。 身体にストレスがかかると、自律神経の過度の緊張により内耳血管など細い血管が収縮します。 また、ストレスのもとでは身体の免疫力が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。 退院後の注意点は、身体に無理のない生活をすることです。 3食の食事を規則正しくとり、睡眠時間を十分とること。タバコは吸いすぎず、アルコールはほどほどに。 つまり、誰もがわかっていることがこの病気に限らずすべての病気の予防につながります。
滲出性中耳炎 うちの子の聞こえがなんとなく悪いようですが
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質問
3歳の息子のことです。最近、小さな声でしゃべると聞こえていない様な、振る舞いが目立つ様になり、本日、妻が近所の耳鼻咽喉科に連れていきました。結果は、原因が分からないが、「難聴」である。とのことでした。神経性の様だが、良くわからない。耳垢もあるが、いやがるためとれない。鼻の通りが悪いので、薬は出しておく。とにかく本人 (息子)がいやがるため、対処できない。と医者は言っているようです。息子の様子は、普通にしゃべっている限り聞こえているように見えます。時折、聞き返すのが気になり、小さな声で話しかけると聞こえないように黙っています。聞き間違ったりすることもあります。最近、こういう様子が気になるようになり今回、医者に連れてゆきました。 言葉は特に遅れているという事はないようです。 最近、幼稚園に通いはじめたばかりで、特に問題も聞いておりません。 近くの医者に依れば、今は治療は特にできず、大きくなってからするしかないといっているようです。ほっておいてもいいものでしょうか? どんな影響があるのでしょうか?もう治らないものなのでしょうか? どんな情報でも良いですから、何か教えていただければと思います。 よろしくお願いします。
回答
生後しばらくは難聴の気配がないのに、3歳前後からなんとなく聞こえが悪いようだと親が気づく病気の代表が滲出性中耳炎です。
この病気は、中耳の換気、いわゆる耳ぬきができないためにおきます。 高い山に昇ったり、エレベーターに乗ったとき、耳がふさがれる感じがしますが、通常は唾を飲み込んだりあくびをしたりすることにより、耳の空気が抜けてふさがった感じがなくなります。これがいわゆる耳ぬきです。 耳ぬきをおこなう部分は鼻の一番奥の方にあり、耳管とよばれます。 鼻やのどに炎症があったり、アデノイドとよばれるリンパ組織の肥大があると、耳管が閉塞され、中耳の換気がしにくくなります。自覚症状は、耳を指でふさいだのと同じような耳閉感です。 小さな子供の場合は、聞こえが悪いという自覚がないかもしれません。
テレビの音がおおきい、小さな声で名前を呼んでも答えない、などが典型的な症状です。 鼻水をいつも出している、いびきをかくことが多い、アレルギー体質である、などの傾向があれば、まず滲出性中耳炎があると考えてよいと思われます。 3才から7才頃までが、好発年齢です。この年齢は蓄膿の症状がひどくなる時期であり、鼻の汚れがひどい子に滲出性中耳炎を合併していることが多く見受けられます。鼻の汚れがひどい子ははなかみがへたな場合が多いようです。従って、治療の基本は、まずはなかみのくせをつけることです。両方まとめてかむのではなく、片方づつ圧を抜きながらかませることがこつです。両方まとめてかむと、汚れた鼻水が中耳にのぼり、急性中耳炎を起こす可能性があるので要注意です。
診断は、鼓膜をみて、鼻をみればだいたいつけられます。 確実にするには、聴力検査や鼓膜の動きを調べるチンパノメトリーと呼ばれる検査がおこなわれます。 原因を調べるには、鼻のレントゲンや、アデノイドの肥大の程度を調べるレントゲンを撮影したりします。また、アレルギーの有無を調べる場合もあります。 いずれの検査も、一般の耳鼻科の開業医の先生のところでできる検査です。 特に大きな病院や大学病院にかかる必要はありません。
滲出性中耳炎の治療は、鼻の治療と耳管通気療法などが中心になります。 最近は、マクロライドとよばれる抗生物質の一種を少量で何カ月か服用することが有効であることがわかりました。これによって、従来手術を必要とした患者さんでも通院治療のみで改善する方が増えました。 鼻の病気は慢性疾患であり、根気よくおこなうことが必要になりますから、通院しやすい近くの耳鼻科で治療を受けられることが楽だと思います。一般に7才を過ぎる頃に、鼻の調子がよくなり、これとともに耳の調子も良くなります。この自然に良くなる時期まで、どのように過ごすかが問題になります。 滲出性中耳炎の程度が重症であり、鼻の治療と内服薬だけではうまくゆかないと判断された場合、7才ごろまでを目安に鼓膜に換気用のチューブを留置する事もあります。 実は、うちの長男は3才7ヶ月(相談回答時)ですが、1年ほど前より滲出性中耳炎にかかっております。アレルギー体質に加えて蓄膿があるため、鼻が汚いときにはときどきクスリを飲ませますが、基本的には、こまかくはなかみをさせる程度で過ごしています。 言葉の発音がおかしいかなと思うこともありましたが、大きくなるにつれてだんだんとまともになってきているようです。 付: 長男は現在5才ですが、言葉の発音も問題なく、いたって健康です。
子供の中耳炎 プールに通わせても良いでしょうか?
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質問
実は5歳になる息子のことでご相談なんですが、 先日、中耳炎になりました。以前からプールに通っており、おそらくそれが原因の1つでなったかと思われます。(症状・・痛みが出たのがプールにいった2日後の夜です。)家族とも鼻耳の病気には縁が無く遺伝的なものは無いと思われます。 そこで、ご質問なんですが、今後息子をプールには通わせな方が良いのでしょうか?それとも大丈夫でしょうか?もし大丈夫なら今後のプールに入る際の注意点などありましたら教えて頂きたいのですが・・・。
回答
子供の中耳炎はごくありふれた病気です。頻繁に繰り返すことがなければ、遺伝的なものはまず心配ないと思われます。中耳炎は、耳の穴から炎症が入っておきるのではなく、 咽頭や鼻腔の炎症が、耳管という鼻と耳をつなぐ管を通って中耳に伝わり発症します。従って、咽頭や鼻腔に炎症を持たないようにすることが、中耳炎の予防治療につながります。 結論として、風邪症状や鼻炎、副鼻腔炎の症状が強くなければ、プールに通うことを続けてもかまわないと思われます。ただし、風邪気味のとき、鼻がきたないときには控えた方がよい場合もあります。その時には、近くの耳鼻科の先生に診察を受け、相談されると良いかと思います。 一般的な注意点としては、 プールに入る前後によく鼻をかむ(片側ずつ、両側同時はだめ、)癖をつけること、プールのあと、身体が冷えないように注意すること、 うがい薬でうがいし、ウイルスや細菌を除去すること でしょうか。
スキューバダイビング後の耳の圧力損傷と鼓膜形成について
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質問
友人(42歳 女性)から相談を受けましたので、御教示ください。 3月15日頃スキューバーダイビングで耳を悪くしたとのことです。近医受診し、リンパ 液が漏れていると言われたそうですが、めまい等の自覚症状はなかったのことです。リンパ液の漏れは止まったが、鼓膜に大きな穴があいたままになり、(この穴が早く閉じるようにと頚部の神経ブロックに通院したとのこと)このままにするのが一番で、プール等には入れないと言われたとのことです。鼓膜移植はつきが悪いので勧めないとのことだったそうです。他医を受診したところ、リンパ液が漏れた?? 中耳炎だったのでは? 鼓膜にあいている穴が大きいので、早めに鼓膜移植をしたほうがいいのでしょうとのことだったそうです。 鼓膜移植の適応と予後について御教示ください。よろしくお願いいたします。
回答
スキューバダイビングでおきる耳の損傷は、圧力によるものです。 潜水するとき身体に圧力がかかりますが、耳ぬきと呼ばれる圧を抜く方法がうまくゆかなかった場合に耳の損傷が生じます。 耳には音をあつめる外耳、音を伝える中耳、実際に音を感じる内耳がありますが、圧力で障害を受けるのは中耳、もしくは内耳です。
中耳圧力損傷は、重症の場合鼓膜に穿孔が生じます。 検査所見は、視診上は鼓膜の発赤と穿孔、聴力検査では伝音性難聴を認めます。 治療は、2次感染に注意しつつ鼓膜が自然に閉鎖するのを約1ヶ月待ちます。1ヶ月経過しても鼓膜の閉鎖傾向がない場合、手術的な閉鎖を考慮します。2次感染により耳漏が出現した場合は、この治療をおこなったのち、手術を考慮します。
内耳圧力損傷は、外リンパ瘻と呼ばれます。内耳は側頭骨の骨迷路の中に膜迷路が浮かんだようにして存在しています。膜迷路の中には内リンパ液、膜迷路の外には外リンパ液が存在します。このリンパ液は、身体の他の部分の免疫をつかさどるリンパとは異なります。内リンパ液は細胞内液と外リンパ液は細胞外液と類似した組成を持っていることが知られています。どうして紛らわしい名称で呼ぶようになっったのかは良く知りません。鼓膜に外リンパ液の圧が高まり、中耳に漏れ出ると内耳環境に影響が生じ、難聴、めまいが生じます。検査所見は、一般的には鼓膜に異常はありません。聴力検査では、高度の感音性難聴を認めます。めまいの所見として、眼振を認めることもあります。治療は、入院安静、ステロイド、血管拡張剤、ビタミン剤の投与、酸素吸入などをおこない、治療に対する反応が不良な場合は、手術で内耳の穴を閉鎖することを考慮します。
そこで、ご質問に関してですが、 聴力検査の結果が問題となります。鼓膜穿孔があるので、中耳損傷の存在は明らかであり、伝音聴力は低下していると思いますが、感音聴力の低下はないのでしょうか? 感音聴力の低下がある場合は、最初の耳鼻科の先生の言うとおり外リンパ瘻があったと考えられます。感音聴力の低下がなければ外リンパの漏れは関係なかったことになります。
鼓膜移植(形成)の適応と予後に関してですが、 耳漏のない乾燥した鼓膜穿孔で、手術のリスクとなる基礎疾患がなければ鼓膜形成の適応と考えられます。ただし、鼓膜の穿孔を閉鎖することは可能であっても、聴力が改善するか否かは症例により異なります。紙などのパッチを穿孔に当てて聴力改善を確認できれば、術後も聴力が改善すると期待できます。 鼓膜形成には、いろいろな方法がありますが、最近の流行は、耳介後部の組織をフィブリン糊で張り付ける方法です。外来手術で比較的簡単にできますので、これを実施している施設で相談されると良いと思います。術後穿孔が再発する場合もありますが、再手術なども可能です。ただし、この方法は鼓膜穿孔が大きすぎる場合にはうまく行きません。大穿孔に対しては、従来よりおこなわれている入院による鼓膜形成が必要となります。いずれにしても、耳の手術を多数こなしている先生に治療をお願いすることが良いでしょう。
簡単なスイミングは、鼓膜に穿孔があるかたでもやってかまわないと思います。ただし、ダイビングは圧力による症状再発のおそれがあるので術前も術後もおすすめできません。症状が再発してもかまわない、ダイビングが命であると言う方には、禁止を強制してはいませんが・・・。
耳鳴り1 ![]()
質問
はじめまして、 35才の会社員です。耳鳴りを自覚しだしたのは15才ぐらいからです。始めは、かすかに虫の鳴くようなのであったのが、しだいに蝉時雨のようになり、 今では「キーン」という状態です。聴力検査では4000Hz以下しか聞こえません。 中学、高校、社会人とブラスバンド等を行っており、医者にはそれが原因だろうと 言われています。ただ、私の母も同様な耳鳴り状態(元音楽教師)で母型の親戚にも同様の症状の人が幾人のいます。 1.耳鳴りを治す、または低減する効果的治療法があるのでしょうか? 2.会議などで人の声が聞き取りにくく難渋するのですが、耳鳴りに合う補聴器は あるのでしょうか? 3.補聴器を使うのは耳鳴りを悪化させるでしょうか? 4.普段の生活でどのようなことに心がければ良いでしょうか? 遺伝かと思い半ばあきらめていますが、出来ましたらアドバイス下さい。 よろしくお願いいたします。
回答
ご質問、ありがとうございます。 やはり、遺伝的な要素が関与しているように思われます。DNAを解析する技術が発達するに従って、難聴に関する遺伝子異常もあることがわかってきています。 耳鳴りの治療はいくつかありますが、決定打がないのが現状です。内服薬では、まず、血流改善剤やビタミン剤を試してみます。これでダメならば、弱い精神安定剤で内耳の興奮を抑制するとともに、耳鳴りにともなういらつきを抑えます。一般的な治療はここまでです。
特殊な治療としては、 1.キシロカインという麻酔薬の注射 2.ステロイドやキシロカインの中耳内注入 3.電気刺激 4.マスカーという雑音を出す装置の使用 5.補聴器の使用 などがあります。 いずれも耳鳴りを治すことよりも、抑える、わからなくする、気にならなくすることが目的になっています。私が治療に用いて、ある程度の効果を認めたのは1.です。内服による治療がまったく効かず、あきらめ気味の患者さんに試して効いた例がいくつもあります。ただし、効果は注射をしてからしばらくの間だけの場合がほとんどです。 1週間から2週間に一度の頻度で、5から10回程度おこなうと持続的に耳鳴りが軽くなる患者さんも時におられるようです。
補聴器の使用は、耳鳴りの有無に関わらず、難聴を補う方法の中心となります。難聴のパターン、聴力の周波数別分布にあわせて補聴器の特性を調整します。例えば、高音が低下している患者さんには高音を重点的に補うようにします。補聴器の使用で注意しなくてはいけないことは、ボリュームをあげすぎないことです。大きな音が長時間耳に入ると、騒音性難聴様の内耳障害が生じる可能性があります。必用以外の時には使わないことも良いかもしれません。ただし、補聴器の音に慣れる必用があるため、最初のうちはできるだけ使うようにした方がよい場合もあります。 普段の生活で必用なことは、耳の負担をできるだけ少なくする。身体に強いストレスのかかる生活、不規則な生活をしない。高血圧や糖尿病など全身的な基礎疾患がある場合には、このコントロールをしっかりする。などでしょうか。
耳鳴り2 ![]()
質問
初めまして早速で恐縮なのですが、耳鳴りで悩まされています。 耳鳴りに気が付いたのは、先月20日頃、風邪で2日ほど寝込んだ後に耳鳴りがすることに気が付きました。これまでも、ごくたまに耳鳴りを感じたことはありましたが、すぐに消えていました。ところが今回ばかりは、今日までシンシンというか、ミンミンというか気にしていると、ますます耳鳴りの音が大きく感じます。近所の耳鼻科で診察してもらいあれこれ診ていただきましたが、特に悪いところはなく、強いて云えば年齢から来る高音にたいして左耳の聴覚が少し悪いということでした。年齢は、満48才です。これまで耳のことで問題はなく、耳鼻科へは、小学校の校内検査を受けて以来です。ただ、年中鼻風邪を引きやすい体質ではあります。薬は耳鼻科で頂いたビタミン剤と血管の流れを良く するための薬ということで、2種類の薬を4日分飲んでいます。耳なりの直接の薬ではないとの説明は受けました。 このままでは、どうも治りそうな気配がありません。何か良い方法といいますか、気をつけることなどがありましたら、アドバイス頂けないでしょうか。
回答
耳鳴りはそれ自体は病気ではなく、一般的には難聴の症状の一つであるとされています。まれには、難聴がないのに耳鳴りだけがある場合もあります。やっかいなことに、耳鳴りは耳鼻科領域で最も難治性の症状の一つです。耳鳴りは患者さんのみが自覚する症状で、同じ耳鳴りでも人により苦痛の程度が異なります。 耳鳴りの原因がはっきりしていないため、根本的な治療は現在ありません。 一般的におこなわれている治療は難聴の治療としての、血流改善剤、ビタミン剤、ステロイド剤などの投与です。急に聞こえの程度が悪くなったような特殊な場合は、ステロイド剤が使用されます。現在内服中のクスリは難聴治療の薬だと思われます。 これにより5割程度の患者さんは、耳鳴の改善が得られます。しかし、残りの患者さんは、一生耳鳴りとつきあっていただくしかない状況です。 現在、耳鳴りの治療の基本的な考え方は、これをなくそうとすることよりも、 患者さんができるだけ耳鳴りを気にせずに、うまくつきあっていけることを手助けしようという方向になってきています。 耳鳴りを訴えて受診される患者さんには、耳鳴り自体は病気ではないことをよく説明し、耳鳴りにとらわれることなく、安定した気持ちで過ごしていただくことをお願いしています。耳鳴りが気になってしょうがない、仕事も手につかないという方には弱い精神安定剤を内服していただきます。これを処方する目的のひとつは、耳鳴りが内耳や聴覚経路の神経の異常な興奮で生じるとかんがえて、この神経の興奮を抑えてやろうということです。もう一つの目的は、耳鳴りを気にする脳の反応を押さえ込んでやろうということです。眠気の副作用に注意すれば、かなり有効なクスリです。耳鳴りがうるさくて眠れないという重症の方には、睡眠剤の服用をおすすめしています。 耳鳴りの特殊な治療方法としては、キシロカインという麻酔薬の注射や、中耳への薬剤の注入、電気刺激による治療、はり治療などいろいろあります。民間療法もいろいろあるようです。いろいろな治療があるのは、確定した治療方法がない証拠でもあります。 上記の方法をいくつか試したことがありますが、効果が比較的確実なのは、キシロカインの注射です。ただし、効果は一時的です。副作用の心配があり、だらだら続けるのは好ましくありません。 現在、治療を始められたばかりですのでまだまだあきらめられることはないと思います。1ヶ月、今のクスリを続けてみて効果がないようでしたら、精神安定剤や眠剤などを、耳鼻科の先生から処方してもらわれると良いでしょう。
遺伝性難聴 ![]()
質問
私の両親は聾唖者でして、ともに身体障害者手帳には先天性の難聴の1級と記されています。実際に聞こえなくなったのは、父は生まれつき、母は4才くらいからと聞いています。幸い私を含めた子供達3人は、聴覚だけでなく特に障害を持ってはいません。 ここで質問なのですが、今度は私の子供に聴覚障害が遺伝する可能性というのはあるのでしょうか?遺伝子学的に確立した理論を今までには聞いたことがありませんが、もしありましたら教えてください。なければ、統計的な数字でも構いませんから教えてください。よろしくお願いいたします。
回答
自分ではほとんど経験がないので、教科書的に調べさせていただきました。 遺伝性の難聴の遺伝パターンや発現頻度ほとんどわかっていないようです。その理由は難聴家系の詳しい調査が行われていないためのようです。遺伝性の先天性難聴の70-80%は常染色体性劣性遺伝と考えられています。これは、男女を決める性染色体以外の染色体に難聴の遺伝子があり、両親ともに難聴遺伝子を持つ場合のみ子供に難聴が発現する遺伝パターンです。難聴の遺伝子が一つであれば、難聴の発現率を確立論で単純に計算できますが、関与遺伝子が二つ以上あるため推定することが困難となっています。 その証拠として、ご質問者のご家族の場合と同様、両親ともに先天性難聴があっても子供に難聴が発現しない場合が多く認められています。 実際には、両親ともに劣性遺伝の先天性難聴がある場合、子供に難聴が発現する率は30%程度のようです。ご質問者のご兄弟は3人ともに難聴が生じていないので標準より遺伝率が低いと考えられます。従って、ご本人およびご兄弟の子供たちに難聴が生じる可能性はかなり低いのではないかと推定されます。 ご質問者の家系をご先祖の側へさかのぼり、難聴の発現の有無を調べることができれば、ある程度子孫への遺伝確率が推定できるかもしれません。遺伝子工学の発展ととともに遺伝性疾患の原因遺伝子が同定され、治療にも応用されようとしています。 難聴に関してもこの方面での発展がされることを期待したいと思います。
メニエール病の治療方法 ![]()
質問
メニエール病の治療法等を教えてください。おねがいします。
回答
メニエール病は、内耳の液(内リンパ液)の調節がうまくゆかず、めまい、吐き気、難聴、耳鳴、耳閉感などの症状が繰り返す病気です。内リンパ液は、内耳の奥にある内リンパ嚢というところで調節されています。単にめまい、吐き気を繰り返す場合は、メニエール病でない場合がほとんどです。必ず、聞こえが不良になる症状がめまいにともなうのが原則です。
メニエール病に限らず、反復するめまいに苦しむ方の性格はほぼきまっています。 きちっと仕事をこなさないと気がすまない、仕事をこなすために睡眠不足を重ねてしまう、ストレスを発散させるのが苦手、自律神経系が弱いなどです。 治療でもっとも大切なのはまず、日頃の生活習慣、心がけをリラックスしたものに変えてゆくことだとめまい患者さんに指導しています。うまく気楽に過ごせるようになったかたは、特別な薬を必要とすることもなく、普通の生活をできるようになっておられます。 こだわりを捨てきれない人は、めまい、難聴が進行するようです。 薬物治療は、めまいの起きる時には、鎮暈剤、精神安定剤、吐き気止めが有効です。 日頃は、血管拡張剤や、ビタミン剤など、さらに、ストレスが強くかかっているような方には精神安定剤を処方します。上記の薬がうまくきかない方には、イソバイドという、利尿剤を服用してもらうと効く場合もあるようです。 薬物療法が効かない方には内リンパ嚢開放術という手術が、おこなわれる場合もあります。
嗅覚障害1![]()
質問
私、この1年ほど前から臭いが判らなくなっております。2年以上前から痰がよく詰まる事から耳鼻科に通っていましたが、鼻をとおしたり吸入をするだけで特に効果は見られず今に至っております。貴ホームページの内容だけでは症例がわからないものですから、私の様な事例はありますでしょうか? この様なインターネットによる相談など初めてですので上手く説明出来ませんが、何かやってみる事、考えて見る事がありましたら教えて下さい。
回答
においがわからなくなる原因には、嗅覚細胞が弱っている場合と、そうでない場合があります。嗅覚細胞は、めがしらの部分、鼻のてっぺんの部分にあります。においを感じるには、においの粒子が嗅覚細胞に到達できること、嗅覚細胞が正常に働くことが必要です。 副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症など、鼻の疾患があると、においの粒子が嗅覚細胞に到達しないために、においを感じない場合があります。
これらの疾患がないかどうかは、耳鼻科で鼻の中をファイバーで観察してもらったり、鼻のレントゲンをとってもらうことでわかります。 嗅覚細胞がちゃんと働いているかどうかは、アリナミンという、にんにくのにおいに似た強いにおいをもつクスリを注射してみて、そのにおいを感じることができるかどうかで判断します。アリナミン注射でにおいがわかれば、嗅覚細胞は大丈夫ということになります。逆にまったくにおいがしなければ、嗅覚細胞は元気がなく、再びにおいを感じることは難しいと考えられます。 耳鼻科を受診されて行うと良いことは、 アリナミン注射テストをまず、うけてみて下さい。そして、嗅覚細胞が大丈夫かどうか検査してもらって下さい。また、鼻の疾患がないかどうか調べてもらって下さい。
治療は、嗅覚細胞に元気をつける目的で、ステロイドの点鼻薬を、嗅覚細胞のある、はなのてっぺんにあたるように点鼻します。首の下に枕をおいて、仰向けになるようにし、10分間ほどじっと浸しているとよいと言われますが、なかなか難しい体位です。 鼻の粘膜がむくんでいる場合には、むくみをとる点鼻薬を最初に点鼻します。 副鼻腔炎がある場合には、クスリや吸入、場合によっては手術を行うことを考慮します。副鼻腔炎の治療は、従来はネブライザーとよばれる吸入治療が中心でしたが、最近はマクロライドとよばれる抗生物質の長期内服が有効であることが知られてきました。 現在、受けておられる治療の目的、効果、今後の見込みを聞いてみると良いかと思います。
嗅覚障害2 ![]()
質問
嗅覚の異常に気づき耳鼻科に受診しましたところ一時(約1週間位)は回復致しましたが、間もなく駄目になりました。鼻たけがあるとのことでした。その後、2回、1週間から2週間ぐらい回復しましたが、その後、回復はありません。耳鼻科での投薬はデカドロン点鼻薬(一日3滴)ビタミン剤(メチコバール3錠/1日)でした。慢性化しているので、1年間くらいは治療がかかると聞き、治療を続けています。鼻づまりもなく気持ちがよい状態なのですが、臭いの回復する兆しはいっこうにありません。 耳鼻科以外に内科で高血圧と喘息(アルデシン吸入)の治療をうけています。 この嗅覚異常は治りますか。デカドロンを用いていますが、アルデシンも副腎皮質ホルモンですから副作用が心配になります。 以上お忙しいとは存じますがご回答頂ければ幸甚に存じます。
回答
喘息がすでにあることから、アレルギー体質であることがわかります。 喘息を基礎疾患に持つ方は、鼻腔内にアレルギーにともなう鼻たけができやすいようです。鼻たけがあることをすでに指摘されておられるので、においの粒子が嗅覚細胞に到達することが妨げられているのは間違いないと思われます。 あと、アリナミンの注射による嗅覚細胞能力の確認は受けられたのでしょうか?。治療経過中ににおいがもどった事が何回かあるようですから、たぶん嗅覚細胞は大丈夫なのだと推定されます。 嗅覚障害の治療は、嗅覚細胞に元気をつける目的で、ステロイドの点鼻薬を、嗅覚細胞のある、はなのてっぺんにあたるように点鼻します。鼻の粘膜がむくんでいる場合には、むくみをとる点鼻薬を最初に点鼻し、次にステロイドを点鼻します。デカドロンの点鼻がこれに相当します。2-3ヶ月施行して、改善が見られない場合には、ステロイドの副作用の点から中止することが多くあります。
鼻たけがある場合には、手術的にこれを除去することが望ましいと思われます。ただし、喘息がある場合は、麻酔上のリスクから積極的に手術を勧められない場合もあります。ここ1年ぐらい喘息の発作がない場合には、まず大丈夫ですが、毎月発作がおきているようでしたら、全身麻酔は危険です。 私のところでは、喘息のある患者さんの場合、鼻の手術は局所麻酔でおこなっています。その際も内科の先生とよく相談し、最も状態の良いときにおこなうようにしています。耳鼻科、内科の主治医の先生と相談して手術の効果、危険性など確認してみられるとよろしいかと思います。 アルデシンの吸入は全身的な副作用をもたらす可能性が低いことが知られています。まず、問題はないでしょう。
鼻出血 ![]()
質問
31才、女性。先週、4日間続けて、早朝に大量の鼻血が出たため、心配になって医療関係のページを色々と見ているうちに五十嵐先生のページを見つけました。昨日、会社に近くの耳鼻科へ行き、鼻の中を電気で焼いてもらい、止血剤をもらっので、今日は鼻血が出ていません。私は幼少時から鼻血が出やすい体質で、大人になってからも月に1回位ごく少量ですが鼻血が出ることがあります。たいていは生理の始まる1週間ほど前です。 今回は、15日か16日頃に生理が始まる予定で、その1週間程前にやはり軽い鼻血が出ました。そして、16日になって生理が来ない代わりに鼻血が大量に出ました。その後、まだ生理になってません。生理と鼻血には関連性があるのでしょうか?また、鼻血の原因にはどんなものがあるのでしょうか? お忙しいと存じますが、お暇な折りにご回答いただければ幸いです。
回答
鼻血の原因には、鼻に出血しやすい要因がある場合と全身性に出血要因がある場合とがあります。 鼻のなかで傷つきやすい部分は、鼻中隔と呼ばれる鼻を左右にわける壁の入り口の近くにあります。入り口から小指の頭一つほど奥に入ったところに細い血管が集まったところがあります。キーセルバッハと言う人が見つけたのでこの人の名前がついています。鼻血のほとんどが、このキーセルバッハ部位から出ます。鼻中隔が曲がっていると(弯曲)、飛び出している側のキーセルバッハ部位が傷つきやすく、鼻出血が出やすいようです。 鼻のアレルギーがある人も鼻出血が出やすいようです。その理由は、鼻をよくかむので傷つきやすい。鼻の粘膜がむくんでいるので簡単に傷がつきやすいことです。子供で、鼻出血を良く出す場合のほとんどがこれに相当します。近くの耳鼻咽喉科で鼻を焼いてもらったそうですが、このキーセルバッハ部位の血管を焼きつぶしてもらわれたのだと思います。
全身性の出血要因には、高血圧、出血しやすくなる血液や肝臓の病気があります。生理が近づくと出血しやすくなるかどうかという事は、その道の専門家ではありませんので 確信できませんが、同じことを訴えられた患者さんを経験しています。 もし、全身的に出血しやすくなる場合には、軽い打撲で青あざができやすい、切り傷からの血が止まりにくいなどの症状が出るはずですが、いかがでしょうか? 血液の検査で、出血を止める能力が正常かどうかを簡単に調べることができます。ご心配であれば、一度出血しやすいと思われる時期に血液検査を受けてみられるとよろしいでしょう。
副鼻腔炎(ちくのう)だと思うのですが ![]()
質問
私は「ちくのう」と思われる鼻の病気に悩まされています。3年程前に風邪をひいたときから急に色と匂いのある鼻水が出始めたのです。今まで鼻の病気などかかった事がない私はすぐに治るだろうと安易な気持ちでいたのですが、今ではかなり心の負担になっています。親などに相談すると「顔の皮をめくって手術しないといけない」などと言われます。正直なところ治療の恐怖のため今まで放っていました。しかし、今年風邪をひいたときから鼻水の量が多くなった気がするのです。だから勇気を出して治療したいと考えています。でもやはり治療に対する恐怖は大きく悩んでいます。必ず手術が必要なのでしょうか?できればどのように治療するのか教えてください。放っておけない病気だということはわかっているので恐怖を感じながら耳鼻科へ行くのではなく、内容を理解して腹をくくって行こうと思います。先生にお時間が許されればどうか御教授宜しくお願いします。 症状: 色、匂いのある鼻が出ます。喉に垂れたり、めがしらやひたい、ほほが重い感じがするといった症状はありません(自覚がないだけかもしれませんが...)。ただ、とにかく鼻がでます。特に刺激臭(香水など)を嗅いだときや食事中にたくさん出るような気が します。
回答
俗にちくのうとよばれる副鼻腔炎の治療方法は、 近年かなり様変わりしてきました。 昔の蓄膿の治療は、鼻洗いと吸入、上唇の裏を切って皮膚をめくりあげてうわあごの骨をけずる手術。手術後は、ほっぺたが腫れ上がり、しびれも残るという具合でした。ご両親のおっしゃることの一部はごもっともだったのです。
最近のちくのうの治療はまず、マクロライドとよばれる系統の抗生物質を2-3ヶ月使用し、保存的に治療します。マクロライドは、長期に内服してもかなり安全なクスリであり、蓄膿にとても効くことが確認されています。ただし、相互作用をおこす薬もあるため、注意が必要です。さらに、漢方薬やウミの排出をうながすクスリを併用します。ネブライザーと呼ばれる吸入治療もおこないます。 保存的治療で症状が良くならない場合、また、鼻茸と呼ばれるポリープがすでにできている場合には手術がおこなわれます。
現在主流となっている手術方法は、唇の裏を切りません。鼻の穴から内視鏡をいれ、モニターを見ながら複雑な手術を安全におこないます。手術で切除するのは、必要最小限の粘膜や骨のみです。この手術は、出血が少なく、術後に頬が腫れることはありません。局所麻酔、全身麻酔のどちらでも施行可能です。手術前後のマクロライド治療と、内視鏡技術の発達によって患者さんの負担が非常に少ない、手治療がおこなえるようになりました。 ただし、施設によっては、現在も内視鏡手術をおこなっていないところがありますから、受診した耳鼻科で確認されると良いでしょう。 蓄膿は程度の軽い早期であれば、クスリだけで十分治ります。手術も上記のように、楽になっています。 ご心配されずに、耳鼻科を受診して下さい。
歯性上顎洞炎(虫歯による上顎洞の炎症)![]()
質問
1月前に上の右奥歯が痛かったので,歯科にいって治療しています。奥歯のレントゲン写真の像が濁っていたので耳鼻科の検診を進められ,検査をレントゲン検査を受けましたがその時は異常なしということでした。それで歯の治療を続けていましたが歯から膿が出るのがとまらず,奥歯を抜きましたが,奥歯の根が上顎洞に達しており,現在もそこから膿が出てくるので,歯の治療がストップしています。近く耳鼻科にいって検査してもらおうと思っていますが,多分上顎洞炎ではないかと思います。 そこで質問ですが, 1.膿の量は少なくなっているようですが,このまま洗浄を続ければ直るものでし ょうか。 2.上顎洞炎の場合,治療法はどんなものがありますか。ちなみに30年前に蓄膿 症の手術を受けています。 よろしくお願いします。
回答
この病気は、歯性上顎洞炎でしょう。これは、歯根の炎症が上顎洞に波及して、上顎洞炎をおこすものです。原因は、虫歯にありますので、歯の治療が最優先です。すでに抜歯を受けておられるようですので、炎症のもとはなくなっているはずです。 抗生物質の点滴または内服をしながら、上顎洞を洗浄していれば、上顎洞内の炎症がなくなった時点で、歯を抜いた後の穴は自然に閉じてくるでしょう。以上の治療をしても膿の排出が減らず、慢性上顎洞炎の状態になってしまった場合には、手術を行うことがあります。
手術の目的は、炎症のもととなる粘膜を除去すること、上顎洞にたまった膿を鼻腔内に排出できるような穴を鼻腔と上顎洞との間に作ること、歯根の穴が閉じない場合には、口腔粘膜を利用して穴をふさぐことです。 30年前にすでに手術を受けておられるようですので、上顎洞の形態は正常とは異なり、 自然に改善する能力は衰えているかもしれません。しかし、膿の排出が減少してきているようですので、できるだけ保存的に治療してみられる方が負担が少なくよろしいかと思います。長くて1ヶ月を目安に治療を続けてみて下さい。
鼻中隔弯曲症について ![]()
質問
鼻中隔湾曲症のことについてお伺いしたいと思います。 1 普段はどの様なことに注意したら良いのでしょうか。 2 矯正手術の必要、不必要はどの様な症状で解るのでしょうか。 3 矯正手術の内容(方法、かかる時間、入院の有無、後遺症など) を教えて頂けないでしょうか。
回答
普段注意することは特にないと思います。誰でも多少は鼻中隔が弯曲しているものです。矯正手術の必要、不必要を判断する基準は、鼻づまりがあるかどうか、あるとすれば、その程度はどれくらいかということです。わずかな弯曲で鼻づまりがなければ放置していてもかまいません。 鼻中隔は骨および軟骨の両側を粘膜が被う構造をしています。
手術は、鼻中隔の粘膜を骨、軟骨の表面から剥離して、曲がった部分の骨と軟骨を除去します。その後、粘膜はもとの位置にもどします。除去した軟骨の一部を再利用してもどす場合もあります。手術の所要時間は、術者の技量、手術の難易度(弯曲の程度)により異なりますが、30分から一時間程度でしょう。全身麻酔の場合は、これに1時間が加わると思って下さい。麻酔が局所麻酔であれ、全身麻酔であれ、入院が必要です。 手術の後遺症は、あまり思いつきませんが、鼻中隔の軟骨をとりすぎると鼻が低くなる(鞍鼻になる)と教科書には書いてありますが、そのような例は経験したことがありません。ときどき、鼻中隔に穿孔(穴)が空くことがあります。小さな穴であれば、不都合はほとんどありません。耳鼻科で診察を受けたときに穴が確認される程度です。 麻酔を受けることによる副作用はショックや、肝機能障害などいろいろありますが、薬剤に対するアレルギー体質がある場合以外は、問題ないと思います。
アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療![]()
質問
私はかれこれ、15年くらいアレルギー性鼻炎になやまされています。 耳鼻科も20、30くらいいきましたが、体質改善されないかぎり、 治らないということで、飲み薬や点鼻薬で症状をおさえてきました。今回メールさせていただいたのは、他のホームページにてアレルギー性鼻炎をレーザー治療できるという内容のものがあったからです。長年治らないと思っていたのが、レーザーで治るというものでした。しかし、手術は保険がきかず高額なこともあり本当に完治するのか不安です。レーザー治療は他の手術(鼻炎以外)では話をきいたことがありますが、鼻炎についてはまだ日が浅く実績も少ないのでは?と思いますが。 ほんとうになおるのであれば、是非手術しようと思っておりますが。いかがでしょうか?
回答
アレルギー性鼻炎に対してレーザー治療をおこなう方法は、特殊なものではありません。アレルギー性鼻炎の手術的治療に下甲介切除という、鼻粘膜を切除、減量する方法があります。はさみで切除するのが基本ですが、高周波電気やレーザーを用いて粘膜を焼灼する方法があります。鼻炎に対するレーザー治療というのはこれのことです。 入院を必要とせず、出血がないため患者さんにとって楽な手術だと思います。レーザーがある施設であれば、可能です。耳鼻科のちゃんとした施設でうければ、保険適応があり、高額な医療費を必要とはしません。私の勤務する新潟労災病院でもやっています。
レーザーで完全に治るかという点では、むつかしいでしょう。手術後しばらくの期間は薬を減量またはなしにできますが人によっては、数年後に鼻粘膜が再生肥厚し、アレルギー症状が再発する方もあります。頻繁にレーザー治療をおこなっている施設では、症状が再発する度にレーザー治療をうけなおすことをすすめているようです。
アレルギーは体質であり、この体質を薬の必要のない状態に変える魔法のような治療は現在のところありません。 アレルギーが治ると断言している広告があれば、真っ赤なうそだと考えて下さい。 体質改善剤と呼ばれる抗アレルギー剤も対症療法であり、使用をやめれば症状は元に戻ります。減感作療法と呼ばれる治療が、唯一、完治をめざした治療ですが、抗原が複数にわたる場合は適応外ですし、副作用の心配もあり、労多くして益少なしという印象を持っています。
アレルギー治療の基本は、まず抗原(アレルゲン)を確認し、これを身体のまわりからできるだけ減らすこと。不摂生な生活は、症状を悪化させるので、これをひかえること。症状に応じていろいろな治療を組み合わせておこない、必要最低限の治療をしてゆくことだと考えています。 鼻のアレルギーで命を落とす方はいません。気楽に過ごしてゆきましょう。 かく言う私も、鼻アレルギーの重症例です。春と秋の花粉シーズンは、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに悩まされ、少しでもほこりっぽいところへ行くと、とたんにくしゃみが出ます。それでもこうして元気に医療相談をやっています。
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