富山大学医学部 整形外科 Go Home
臨床研修プログラム
1.整形外科臨床研修カリキュラムについての概要
2.研修プログラム
3.初期研修での目標とカリキュラム
4.後期臨床研修(専門医研修)での目標とカリキュラム
5.後期臨床研修の応募方法

1.整形外科臨床研修カリキュラムについての概要

平成16年度から、医師免許取得後の2年間の臨床研修が必修化されています。臨床研修における必修科目は、 内科、外科、及び救急部門(麻酔科を含む)、小児科、産婦人科、精神科及び地域・保健医療であり、整形外科は含まれていません。 しかし、プライマリ・ケアに占める整形外科疾患の多さに加え、厚生労働省が提示した卒後臨床研修の到達目標の中にも、数多くの 整形外科関連疾患が含まれています。2年間の研修期間中に整形外科を選択することは、真に有意義な初期研修を受ける上で必須です。 ここに当整形外科の研修プログラム目標を呈示します。これは日本整形外科学会が提示する卒後臨床研修の到達目標との整合性が取られたものです。

臨床研修には、初期研修(最初の2年間のスーパーローテーションの中で選択される1〜2ヶ月の研修、あるいは外科系研修の中での 3〜5ヶ月の整形外科研修)として整形外科研修を行う場合と、後期臨床研修(整形外科専門医育成のための長期的展望に立った研修) に分けて、それぞれの到達目標を設定しています。整形外科に包含される疾患はその範囲が広いため、いずれの研修プログラムも 各診療チームに属し、チームをローテーションすることにより、臨床実地研修を受けることができます。

現在の診療チームは4チームの構成となっており、Aチーム:関節外科、スポーツ整形外科担当、Bチーム:関節リウマチ、 手の外科および上肢の外科担当、Cチーム:脊椎脊髄外科、骨軟部腫瘍外科担当、Dチーム:脊椎脊髄外科、骨代謝疾患担当 となっています。前期研修においてその研修期間が1ヶ月以下の場合は単独のチームで研修することも可能ですし、希望により複数の チームをローテーションすることも可能です。研修開始時に研修医個人の希望に合わせてプログラムを設定することもできます。

Aチーム:関節外科、スポーツ整形外科担当
(チームリーダー)下条 竜一(助教)

特色: 関節疾患全体を対象としますが、特に膝関節・肩関節疾患の病態把握およびその手術治療の開発に力を入れております。また、各種関節外科の手術テクニックを学ぶことができます。

Bチーム:関節リウマチ、股関節・足関節外科担当
(チームリーダー)松下 功(講師)

特色: 関節リウマチのトータルマネージメントと股関節および足関節を主体とした関節外科を中心に診療を行っています。

Cチーム:骨軟部腫瘍外科担当
(チームリーダー)安田 剛敏(助教)

特色: 脊椎脊髄外科一般について脊椎脊髄外科指導医のもとで病態把握方法や手術テクニックを学ぶことができます。また骨軟部腫瘍に対する化学療法、 手術療法を学ぶことができます。

Dチーム:脊椎脊髄外科担当
(チームリーダー)川口 善治(准教授)

特色: 脊椎脊髄外科一般について脊椎脊髄外科指導医のもとで病態把握方法や手術テクニックを学ぶことができます。また骨粗鬆症などの骨代謝に対する 基本治療法を学ぶことができます。

Eチーム:手の外科および上肢の外科担当
(チームリーダー)長田 龍介(講師)

特色: 上肢の疾患・外傷および切断指や筋皮弁におけるマイクロサージャリ―のテクニッテクを学ぶことができます。

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2.研修プログラム

1−2年目: スーパーローテーションでの選択による初期研修(1−2ヶ月)
または外科系研修の中での整形外科研修(1−2ヶ月)
3−4年目: 後期臨床研修T(大学病院1年間、関連教育病院1年間)
5−6年目: 後期臨床研修U(大学病院1年間、関連教育病院1年間)
または(関連教育病院2年間)
または大学院(医学博士課程)進学(4年間)

注)大学院進学は本人の希望により4年目に行うことも可能です。
注)日本整形外科学会専門医は研修6年終了後(初期研修期間を入れて)以降に受検することができます。
注)学会研修、国内留学、海外留学については適宜対応します。
注)当大学附属病院は日本整形外科学会専門医育成のための教育認定施設であるほか、日本リウマチ学会ならびに日本リハビリテーション学会 の教育認定施設として認められております。各指導医のもとでリウマチ専門医、リハビリテーション専門医を育成することができます。

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3.初期研修での目標とカリキュラム

【1】整形外科全般(基本部分)
一般目標:
1)運動器救急疾患、外傷に対応できる基本的診察能力を修得する。
2)適切な診断を行うために必要な運動器慢性疾患の重要性と特殊性について理解、修得する。
3)運動器疾患の正確な診断とその基本的手技を修得する。
4)運動器疾患に対して理解を深め、必要事項を医療記録に正確に記載できる能力を修得する。

行動目標:
1)多発外傷における重要臓器損傷とその症状を述べることができる。
2)骨折に伴う全身的、局所的症状を述べることができる。
3)神経、血管、筋腱損傷の症状を述べることができる。
4)脊髄損傷の症状を述べることができる。
5)多発外傷の重症度を判断できる。
6)多発外傷において優先検査順位を判断できる。
7)開放骨折を診断でき、その重症度を判断できる。
8)神経、血管、筋腱の損傷を診断できる。
9)神経学的観察によって麻痺の高位を判断できる。
10)骨、関節感染症の急性期の症状を述べることができる。
11)変性疾患を列挙してその自然経過、病態を理解する。
12)関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変性疾患、骨粗鬆症、骨軟部腫瘍のX線像、MRI、造影像の解釈ができる。
13)上記疾患の検査、鑑別診断、初期治療方針を立てることができる。
14)腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれの症状、病態を理解できる。
15)理学療法の処方が理解できる。
16)病歴聴取に際して患者の社会的背景やQOLについて配慮できる。
17)主な身体計測(ROM、MMT、四肢長、四肢周囲径)ができる。
18)疾患に適切なX線写真の撮影部位と方向を指示できる。
19)骨、関節の身体所見がとれ、評価できる。
20)神経学的所見がとれ、評価できる。
21)運動器疾患について正確に病歴、身体所見、検査結果、症状、経過の記載ができる。
22)診断書の種類と内容が理解できる。

【2】関節疾患(発展部分)
関節チーム(AチームBチーム)に配属された場合はリウマチ疾患について以下の項目が初期研修として追加されます。 毎週行われる整形外科全体でのカンファランス(火曜日)、ならびに関節疾患カンファランス(木曜日)に参加して担当医としての 症例提示および討論がなされます。

一般目標:
リウマチ性疾患の診断と関節リウマチのトータルケアを身につけるために必要な基礎知識を習得する。

行動目標:
1)リウマチ性疾患の適切な問診と病歴の記載をすることができる。
2)リウマチ性疾患の正確な診察と理学所見の記載をすることができる。
3)リウマチ性疾患の血液検査所見を説明できる。
4)リウマチ性疾患の画像検査の所見を説明できる。
5)関節リウマチにおける薬物治療について説明ができる。
6)関節リウマチにおける生活指導について説明ができる。
7)関節リウマチにおける装具療法について説明ができる。
8)関節リウマチにおける外科的治療について説明ができる。
9)関節リウマチ外科手術における第二、三助手を務めることができる。
10)関節リウマチ患者の周術期管理(補液、全身管理、ドレーン管理、手術創管理)ができる。
11)関節リウマチ患者の術後リハビリテーション計画を立てることができる。

【3】脊椎脊髄疾患(発展部分)
脊椎チーム(Cチーム、Dチーム)に配属された場合は脊椎脊髄疾患について以下の項目が初期研修として追加されます。 毎週行われる整形外科全体でのカンファランス(火曜日)、ならびに脊椎脊髄疾患カンファランスに参加して担当医としての症例提示 および討論がなされます。

一般目標:
脊椎、脊髄疾患の正確な診断と安全な治療を行うために必要な基本知識を習得する。

行動目標:
1)脊椎脊髄疾患について正確に病歴が記載できる。
2)経学的検査によって障害神経高位を診断できる。
3)脊椎、脊髄のレントゲン、MRI、脊髄腔造影所見を読むことができる。
4)脊椎脊髄損傷患者を安全に運搬できる。
5)脊椎脊髄損傷患者の初期治療について説明できる。
6)腰椎椎間板ヘルニアを代表とする脊椎変性疾患の診断と外科的治療について説明できる。
7)脊椎脊髄外科手術における第二、三助手を務めることができる。
8)脊椎脊髄手術患者の周術期管理(補液、全身管理、ドレーン管理、手術創管理)を行うことができる。
9)脊椎脊髄手術患者に適切な装具(コルセット等)を処方することができる。

【4】手の外科、上肢の外科
Bチームに配属された場合は、手の外科、上肢の外科について以下の項目が初期研修として追加されます。

一般目標:
上肢の外傷、疾患の正確な診断と安全な治療を行うために必要な基本知識を習得する。

行動目標:
1)上肢の外傷、疾患について正確に病歴が記載できる。
2)神経学的検査によって障害神経とその部位を診断できる。
3)上肢のレントゲン、MRI、関節造影所見を読むことができる。
4)上肢外傷患者の初期治療について説明できる。
5)胸郭出口症候群、肘部管症候群、手根管症候群など末梢神経絞扼性疾患の診断と外科的治療について説明できる。
6)上肢外科手術における第一助手を務めることができる。
7)上肢手術患者の創管理術後管理を行うことができる。CRPSの病態と治療について説明できる。8)コンパートメント症候群、化膿性関節炎、化膿腱鞘炎に対する緊急処置について説明できる。

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4.後期臨床研修での目標とカリキュラム

後期臨床研修での研修プログラムは全診療チームにローテーションしながら属し、あらゆる整形外科疾患に対応できることを目標とし、 当大学附属病院ならびに関連教育病院の指導医(整形外科専門医)から有意義な臨床実地研修を受けることができます。初期研修でのカリキュラムに加えて整形外科全体をより広く、 かつ深く研修することができます。以下に全研修を含めた最終到達目標を呈示します。

【1】一般外傷
一般目標:
一般外傷の治療、骨折の治療を行うために必要な基本的知識とその手技を習得する。

行動目標:
1)汚染創のデブリードマン、洗浄、創縫合ができる。
2)介達牽引、直達牽引を実施できる。
3)単純な骨折の観血的整復固定手術が執刀できる。

【2】関節外科疾患
一般目標:
関節外科疾患(リウマチ疾患を含む)の治療を行うために必要な基本的知識とその手技を習得する。

行動目標:
1)関節リウマチの鑑別疾患ができる。
2)関節リウマチの適切な血液検査オーダーと検査結果の分析ができる。
3)関節リウマチの適切な画像検査オーダーとその読影ができる。
4)関節リウマチ患者の正確な病態把握と活動性の評価ができる。
5)関節リウマチ患者の適切な薬物治療計画を立てることができる。
6)関節リウマチ患者の適切な外来管理計画を立てることができる。
7)関節リウマチ患者に対し適切な装具を処方することができる。
8)関節リウマチ患者に対し適切なタイミングで手術治療計画を立てることができる。
9)関節リウマチ外科手術における第一助手を務めることができる。
10)指導医のもとに関節形成術を行うことができる。
11)指導医のもとに膝関節鏡検査ができる。(半月板、前十字靭帯の評価ができる)
12)指導医のもとに大腿骨人工骨頭置換術ができる。
13)骨切り術(高位脛骨骨切り術、大腿骨頭回転骨切り術、寛骨臼回転骨切り術)の術前計画が立てられる。
14)人工関節置き換え術の術前計画が立てられる。

【3】脊椎脊髄外科
一般目標:
脊椎、脊髄外科手術の重要性と難しさについて理解を深め、脊椎脊髄外科医としての基本手技を習得する。

行動目標:
1)脊椎脊髄疾患病歴の記載、神経学的検査ができる。
2)脊椎脊髄疾患の診断、治療に必要な検査を判断し、オーダーすることができる。
3)脊椎、脊髄のレントゲン、MRI、脊髄腔造影所見について述べることができる。
4)脊髄腔造影、椎間板造影、神経根造影を指導医のもとで自ら行うことができる。
5)脊椎脊髄損傷患者の初期治療を行うことができる。
6)脊椎脊髄外科手術の第一助手を務めることができる。
7)腰椎椎弓切除術、ラブ手術を指導医のもとで自ら行うことができる。
8)脊椎脊髄手術患者の周術期管理(補液、全身管理、ドレーン管理、手術創管理)を行うことができる。
9)外来にて、脊椎脊髄疾患の診察、保存療法(薬物療法、基本的なブロック注射(トリガーポイント、仙骨裂孔ブロック、 神経根ブロック等)、リハビリテーションのオーダー)を行うことができる。

【4】手の外科、上肢の外科
一般目標:
上肢外科手術の重要性と難しさについて理解を深め、基本手技を習得する。

行動目標:
1)上肢外傷、疾患の診断、治療に必要な検査を判断し、オーダーすることができる。
2)上肢外傷患者の初期治療に必要なブロックを指導医のもとで安全に施行できる。
3)上肢外傷患者の初期治療としてのRICE療法、緊急手術が必要な場合は術前準備まで行うことができる。
4)マイクロ手術の第一助手を務めることができる。
5)橈骨遠位端骨折の保存治療、手術治療を指導医のもとで自ら行うことができる。
6)肘部管症候群、手根管症候群など末梢神経絞扼性疾患の診断と治療方針の決定を自ら行うことができる。
7)上肢手術患者に適切なリハビリテーションを指導することができる。
8)リウマチ手の診断と治療について説明できる。

【5】骨軟部腫瘍外科
一般目標:
骨軟部腫瘍疾患の正確な診断と安全な治療を行うために必要な基本知識を習得する。

行動目標:
1)骨軟部腫瘍疾患についての分類、種類、概念を理解できる。
2)骨軟部腫瘍疾患について正確な病歴記載ができる。
3)骨軟部腫瘍患者へのインフォームド・コンセントの方法について理解する。
4)骨軟部腫瘍患者の各種検査の目的と必要性について説明できる。
5)骨軟部腫瘍患者のレントゲン、MRI、CTを読むことができる。
6)骨軟部腫瘍患者の特殊検査(血管造影検査、RI検査など)を読影することができる。
7)骨軟部腫瘍患者の診断から治療にいたる過程が理解できる。
8)骨軟部腫瘍患者の化学療法の管理、合併症について説明できる。
9)骨軟部腫瘍手術における第二、三助手を務めることができる。
10)代表的な骨軟部腫瘍の病理所見に関して説明できる。
11)骨軟部腫瘍の針生検、切開生検を指導医のもとで自ら行うことができる。
12)現病歴と画像所見より、良性か悪性かの可能性について述べることができる。
13)代表的な骨軟部腫瘍の病理所見より、おおよその診断を述べることができる。
14)骨軟部腫瘍切除手術の第一助手を務めることができる。
15)良性軟部腫瘍の切除手術を指導医のもとで自ら行うことができる。
16)化学療法の合併症、管理を前期研修医に指導することができる。
17)化学療法の合併症に対し、適切に対処できる。
18)骨軟部腫瘍患者の終末期の管理ができる。

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5.後期臨床研修(専門医研修)の応募方法

相談は随時受付けています。整形外科の担当責任者(長田龍介)まで、電話、メール(seikei@med.u-toyama.ac.jp)などでいつでもご連絡下さい。専門医研修を希望される場合には、富山大学付属病院臨床研修センターに申込書を提出して頂きます。
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