97年3月号 第2号

 3月に入りスギ花粉飛散の季節です。また季節の変わり目には花粉と関係なくアレルギー症状がでやすくなります。このようなアレルギーの季節をむかえる前の2月下旬にアメリカ・アレルギー学会に出席してきましたので、今月号ではその時のトピックスなどをお伝えします。

最近の話題「勉強すると喘息が良くなる?」

 今回のアメリカ・アレルギー学会ではいろいろと興味を引かれるものがありましたが、そのなかで「患者さんに喘息のことを知ってもらうことによって喘息がよくなるか」という研究の発表がありました。具体的には喘息の患者さんを二つのグループに分け、ひとつのグループには通常の診療を、他のグループにはさらに喘息に関する知識を系統的に学習してもらい、3か月後の喘息の具合を検討しました。学習したグループのほうが通常の診療だけをうけているグループに比べて喘息の症状は軽く、また抗原暴露に伴う発作回数も減少し、その結果クオリティー・オブ・ライフ(Quality of Life、生活の質)の向上を認めました。この「患者さんの病気についての学習」は欧米ではプログラムもできて学習の仕方も具体的になってきていますが、日本では残念ながら全国で統一されたものはありません。そこで皆さんのアレルギーについての知識獲得および向上にこの新聞が少しでもお役にたてれば幸いです。質問やご意見をお待ちしております。また喘息教室やアトピー教室を大学で開催できるかどうかも検討中です。

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 このコーナーでは医師や看護婦が何気なく使っている、いわゆる専門用語について簡単に説明します。今回はアレルゲンです。

 「あなたのアレルゲンはダニですね」と血液検査をした後で医師に言われることがあると思います。アレルゲンとは、身体がアレルギー反応をおこす原因物質を意味します。これは個人個人で違い、また1種類とは限りません。一般的には、ダニ、スギなどの花粉、卵や牛乳などの食品がありますが、何に反応するかは個人によっても異なります。また花粉や食物でもスギや卵に限らずいろいろな種類があり、さらにカビや昆虫などもあります。何が自分に対するアレルゲンであるかを調べるには、血液を用いたラスト検査((第1号参照)、プリックテストなどの皮膚試験、さらには実際に吸入したり食べてみたりする負荷試験などがあります。調べる目的は、いかにアレルゲンから身を守るか(暴露をさけるか)を考えるためです。

Q&A コーナー

質問:喘息児の母。ネコを飼っているのですが...

回答:最近、ペットアレルギー(特にネコ)が急増しています。以前は小学生以上とされていましたが、最近では1歳未満の乳児にまで低年齢化しています。乳幼児では殆どの例で、自宅かあるいは実家にネコを飼っていることがわかっています。喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚炎の原因になり、一度身体がネコに反応するようになると近所の野良ネコを触っただけでも症状が出てくるようになります。また動物を家の中で飼うとダニの数が倍増します。自宅内で動物は絶対に飼わないようにしましょう。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

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