97年4月号 第3号

 時は春。心地よい太陽とさわやかな春風が子供たちを閉め切った家の中から外へと誘い出します。4月は入学や進級など子供たちにとって喜びの季節である反面、何かとストレスが増える時期でもあります。皆で春をエンジョイしましょう!

最近の話題「朝のひと吹き、今日も元気?」

 セルフ・モニタリング (self-monitoring) という言葉があります。自分で自分の身体をチェックするという意味です。先月号は「患者さんに喘息のことを知ってもらうことによって喘息がよくなる」という内容でしたが、今月はいかに喘息のお子さん達の体調を自宅でチェックするかについて述べます。いくつかの方法がありますが、まず「喘息日誌」をつけることです。日誌は1ページが1週間分になっており、発作の程度や症状の有無、また内服や吸入の実施状況を毎日、朝、昼、晩と記入します。これによって医師は患者さんの長期間の具合や発作のパターン(休日の後に多い、学校行事の前におこりやすいなど)が即座にわかりますし、患者さんは毎日自分の調子を客観的に見ることができます。まだ日誌をつけていない人や最近つけ忘れている人は是非活用してみてください。
 次に「ピークフローメーター」です。日誌の中にもこの値を記入する欄が用意されていますが、小学生以上ならほぼ全員、4歳以上なら約半数は上手に吹くことができます。喘息発作時や発作前に数値が低下します。これによって毎日の呼吸機能を知ることができ、成人では「正常値より何%低下したら薬を追加する」などのガイドラインもあります。子供用と成人用のピークフローメーターが外来に置いてありますので、試しに吹いてみてください。値段は約4千円です。これらの方法はとても簡単ですが、長期間継続することが大切です。

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 このコーナーでは医師や看護婦が何気なく使っている、いわゆる専門用語について簡単に説明します。今回はIgE。免疫グロブリンEの略でアレルギー体質の人が高値を示します。IgEは肥満細胞の表面に結合しており、体内に入ってきたダニなどのアレルゲン(第2号参照)を肥満細胞に接着させ、これによってアレルギー反応がおこります。それぞれのアレルゲンに対するIgEがあり、例えば卵に対するIgEではダニは肥満細胞に接着できず、アレルギー反応もおこりません。ラスト法(第1号参照)や皮膚テストで検査できます。

Q&A コーナー

質問:牛乳アレルギー児の母親。乳製品を中止した場合カルシウムはどのように補充すれば良いか?

回答:牛乳や乳製品は骨の成長に必要なカルシウムの大事な供給源です。もし食事制限が必要な場合には、小魚、干しえび、貝類、緑黄色野菜(小松菜など)、海藻類(ひじきなど)で補充できます。また牛乳アレルギー用ミルク(カルシウム入り)も最近ではおいしくなり、皮膚テストで飲めるかどうか検査できます。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

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