97年5月号 第4号

 ゴールデンウイークも終わり、少々遊び疲れていませんか?また新入生にとってはちょっと気の抜ける頃。そんななか日本アレルギー学会春季大会が千葉の幕張メッセで開かれました。今月は学会での話題を選んでみました。

最近の話題「コンピューターで喘息治療」

 「もしもし、今日の調子はいかがですか?聴診器を胸にあててください」とコンピューターの画面で主治医が喋っているのが見える。患者さん(8歳位の男の子)が画面に写っている主治医に向かって「元気です」と言いながら丸い機械を胸にあてる。主治医の前に置かれたコンピューターのスピーカーから「ザーザー」と男の子の呼吸する音が聞こえてくる。「今日は胸の音もきれいですね。元気に遊んでください」と主治医がコンピューターに話しかけると、男の子が「はーい」と返事をする。これは学会会場で行われた未来の診察風景のデモンストレーション。主治医は病院の診察室のコンピューターの前。喘息患者の男の子は自分の家のコンピューターの前。直接身体に触れられない以外は全く日常の診察と同じ。

 「2週間経ちましたね。その間具合はいかがでした?」と主治医が聞くと、患者さんがポケットから小さいコンピューターを取り出して喘息日誌を見せてくれる。そのなかには毎日の症状、内服や吸入の実施状況、ピークフロー(第3号参照)の結果、さらには薬の副作用まで記憶されていて、いわば自分のカルテをいつもポケットに入れて歩いているよう。学会ではこのポケットコンピュータが展示されていました。

 こんな話を聞くと空想の世界と考えがちですが、実際に日本で行われ始めた喘息治療のコンピューター化の一例なのです。約10年前には「自分の家にコンピューター」なんて夢のまた夢。しかし今では子供が自宅のコンピュータで遊んだり勉強したりする時代。もう何年かすると上に書いたようなことが一般的になるかも知れません

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 このコーナーでは医師や看護婦が何気なく使っている、いわゆる専門用語について簡単に説明します。今回は好酸球です。

 白血球のなかには、ばい菌と戦う好中球、ウイルスをやっつけるリンパ球、そしてアレルギーにおいて悪玉の好酸球など、何種類かの細胞が含まれています。血液のIgE(第3号参照)RAST(第1号参照)の結果から自分のアレルゲン(第2号参照)が何であるかがわかりますが、それ以外に好酸球の数で現在の病気の勢いもわかります。血液中の正常値は5%以下ですが、重症者(特にアトピー性皮膚炎)では時に30%以上になることがあります。また喘息の痰、アレルギー性鼻炎の鼻汁、アトピー性皮膚炎の皮膚の中に好酸球が多く存在していて、痰や鼻汁は外来で簡単に調べることができます。

Q&A コーナー

質問:喘息児の母親。発作がしばしば起こるので家庭医に吸入器を勧められて使っています。発作が出た時だけ気管支拡張剤(発作止め)を吸入していますが、これで良いのでしょうか?

回答:数カ月に1回位自宅で吸入する必要がある程度(喘息としては軽症)であればそのままで良いと思われます。もし発作の回数が多くて時々に気管支拡張剤吸入を必要とする場合(喘息としては中等症以上)には、他の内服薬(テオドールやテオロングなど)や吸入(インタールなど)と併用した方が良いでしょう。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 5.17.97
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