97年7月号 第6号

 もうすぐ夏休み。ご家族の皆さんにとって、一日子供さんと一緒に過ごせるよいチャンスです。病気に取り組む日頃の姿勢を見直してみてはいかがでしょうか。部屋の整理は? 吸入の仕方は? 肌の手入れはどうでしょうか? 今回のテーマは化粧品のCMではありませんが、「夏の肌」です。

最近の話題「夏のお肌はツルツル?」

 「アトピー性皮膚炎」と一言で表してもその症状や分布は年齢によって変化します。赤ちゃんの時は頭部から顔面にかけて赤くジクジクした湿疹が主体で、幼児期になると手足の外側(伸側)や体幹にカサカサとジクジクの湿疹が混在し、学童になると首のまわりや肘・膝の屈曲部にブツブツとした湿疹が出てきます。これは年齢によって汗のかき方や皮脂分泌の程度に変化がおこるためと考えられています。そのため同じアトピー性皮膚炎でも、冬場に調子が悪いカサカサ・タイプや夏場に悪化するジクジク・タイプがあり、「アトピーは○○をすれば治る」という総論的な治療より、まず自分のタイプを理解した上で治療をしたほうが効果的です。
 カサカサ・タイプとは、アレルギーなどで皮膚表面を被っている脂の層が崩れ(図中段。上段は正常皮膚)、皮膚の水分が減ってバリア機能を失なっている状態です。こうなると痒みが増したり、僅かな刺激にも反応するようになります。スキンケアとしてワセリンや軟膏などで皮膚表面をカバーし、水分を元の状態に戻す(水分保持)のが一番です(図下段)。夏場には発汗が増して、それが脂の替わりになって一時的に軽快することをよく経験します。しかし汗をかきすぎると悪化してくる人もいます(ジクジク・タイプ)。これは汗の中に多く含まれている塩分(舐めると塩っぱい!)が皮膚の刺激になって痒みを増強したり、汗についた汚れから細菌感染がおこってジクジクした湿疹の状態になるためです。夏場の増悪を防ぐためには、汗やプールの水(含まれる塩素が強い刺激)をよく洗い流し、その後軟膏などで皮膚を保護することです。また皮膚消毒が有効なこともあります(第1号)

?? Q&Aコーナー??

Q:  "とびひ"とアトピーの"ジクジク"の見分け方は?
A:  一般に"とびひ"では突然に薄皮が剥がれたように始まり、首や腋の下、側腹部によくできます。一方、アトピーのジクジクはもともと湿疹のあった場所を掻きこわした後から始まってくることが多いようです。いずれの場合も、皮膚の清潔が一番です。アトピーの人は肌の抵抗力が弱く、"とびひ"や"水いぼ"になりやすいようです。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 7.21.97
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