97年9月号 第8号

 朝夕の風の涼しさに秋を感じるようになってきました。2学期は遠足、運動会、文化祭といろいろな行事が盛りだくさん。そのうえ台風シーズン、藁を燃やす田圃からの煙と、喘息にとって秋はあまり良い季節ではないようです。皆元気に秋を乗り切りましょう!

最近の話題「走るとゼーゼー、泳いでOK! 」

 「水泳をすることで自律神経のバランスが改善されることを前回(第7号)お示ししました。その中で今回に持ち越した水泳の第2の効用は「水泳では運動誘発喘息をおこさずに激しい運動ができる」ということでした。幼稚園で友達と「駆けっこ」をしていると急に咳込んでゼーゼーしてくる。また学校での体育やマラソン大会で喘息発作をおこして最後まで続けられない。このような状態を運動誘発喘息と言います。これはアレルギー反応とは関係なく、「気管支が弱い」ために起こるもので、実際には運動することでハーハーとした荒い呼吸を口でするようになり(通常は鼻呼吸)、そのために気管支粘膜が冷やされて水分が奪われます。それが刺激となって気管支が収縮して発作が起こるという仕組です(図)。水泳をする時に吸う空気は湿度が高く温かいものですから、同じ運動量でも気管支から熱や水分が奪われることが極端に少なく、水泳は発作を起こしにくいスポーツといえます。発作をおこさず運動を続けることで、体力や持久力、さらには自信が身につく。水泳は喘息にとって理想的な運動と言えます。しかし他の運動でも、運動誘発喘息を予防することは十分可能です。具体的には、発作を誘発する程度の激しい運動をする前に気管支拡張剤やインタールの吸入をしたり、ウォーミング・アップを充分にして(少し汗ばむ程度)気管支を慣らしておくという方法などがあります。いずれにしろ、家でファミコンばかりしていては喘息は治りませんよ!

?? Q&Aコーナー??

Q: 喘息には水泳が良いと聞いて子供を毎週スクールに通わせていますが、その日に限って発作をおこすのです。
A: 前回と今回の2カ月にわたって水泳の喘息に対する効果を解説してきましたが、ご質問のような逆効果もあります。水泳が嫌いな子にとっては毎週のプール通いは苦痛です。そのために無意識に発作をおこして欠席することになり、水泳を止めて良くなった喘息児もいます。子供の気持ちを大事にしながらの治療が大切です。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 9.16.97
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