97年10月号 第9号

 先月は何年ぶりかの「喘息当たり月」だったようで、久々に発作をおこした人や重症な初回発作で入院する人が多くいたようです。皆さんはいかがでしたか?そんななか10月6〜8日に日本アレルギー学会が東京で開催されました。今月はその時の話題からです。

最近の話題「アトピーから喘息へ:ダニが原因!? 」

 「アレルギー性疾患に対する早期介入(early intervention)」が今回の学会の話題に上りました。図のように乳幼児期のアレルギー性疾患はどんどん変化していき、これを「アレルギー・マーチ」と呼びます。実際には、乳児期に湿疹をもっている子供が風邪をひくと咳が長引き、やがてゼーゼーを伴うようになり、最後には呼吸困難を訴えて喘息に至るといった具合にアレルギーの症状が成長と共に行進(マーチ)していく状態を表したものです。このアレルギー・マーチの早い段階、具体的にはアトピー性皮膚炎(あるいは乳児湿疹)の時にどうすれば喘息への移行を止められるか、という問題について話し合われました。今までの検討では、アトピー性皮膚炎に対して強力な外用剤の使用、厳重な食事療法、抗アレルギー剤の内服などが、喘息への移行を阻止するとの意見もありましたが、一方で効果なしという報告もあって評価は一定していません。しかし、「より早くにダニに感作された者は喘息に移行しやすい」という考えは間違いないようです。慢性の乳児湿疹(アトピー性皮膚炎)の赤ちゃんのいる家庭では、ダニ対策をして少しでも喘息への移行を減らしましょう。また、タバコの煙が赤ちゃんの気管支を弱くすることはよく知られている事実です。赤ちゃんの将来を考えて、締め切った部屋や車の中でタバコを吸うことは止めてください。

?? Q&Aコーナー??

Q: ダニを減らす方法を教えてください。
A: 喘息に関係するダニは「チリダニ」と呼ばれ、人を噛んだりしませんし、小さすぎて肉眼では見ることはできません。そんなダニは室内の温かくてジメジメした所(床と寝具)に多く生息しています。まず子供がよく遊ぶ部屋と寝る部屋は必ず毎日掃除機を使って掃除をし、寝具の手入れ(ふとんを干した上で掃除機をかけるなど)は1週間に最低1回行い、これらを根気よく続けることがダニ対策のポイントです。その他、細かい内容については外来でお尋ねください。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 10.17.97
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