97年11月号 第10号

 ようやく喘息の季節も下火になってきたようですが、アトピーの人にとっては肌が乾燥して痒い頃かもしれませんね。そんななか、11月2〜3日に日本小児アレルギー学会が東京で開催されました。今月の「外来ニュース」はその時の話題からです。

最近の話題「ゼラチン・アレルギーをご存じですか ? 」

 食物アレルギーにもいろいろなものがありますが(第5号参照)、最近注目されているのが「ゼラチン・アレルギー」です。ゼリーを食べたりワクチン接種によって蕁麻疹が出たり、まれにショックに至ることがあるため新聞などにセンセーショナルな記事が出ていることにお気付きの方も多いことと思います。一般的には乳児を含む低年齢児に多く見られ、ゼリーやプリンなどのゼラチンを含むものを食べた後、またゼラチンを防腐剤として含んでいるワクチンを接種された後30分以内に、蕁麻疹、嘔気・嘔吐、喘鳴・呼吸困難、さらにはショックという、いわゆるアナフィラキシー症状を呈するものです。また、脳波などの検査前に鎮静の目的で使用される坐薬でも同様の症状が出現することがあります(解熱剤の坐薬はゼラチンを含まないので大丈夫です)。現在、皮膚テストやラスト法(RAST:第1号参照)などの検査法がありますが、感度やコストの面でまだまだ問題があるようです。今までにゼリーなどゼラチンを含むものを食べた後で口の周りを痒がったり、蕁麻疹が出たことがあるお子さんは主治医にご相談ください。また、卵や牛乳で強いアレルギー反応をおこしたことがあるお子さんもゼラチン・アレルギーを合併している可能性がありますので要注意です。以前日本では乳幼児早期からゼリー、プリン、グミ菓子などを食べる習慣はなかったですが、最近食品としてのゼラチン消費量が急増しており、ゼラチン・アレルギー症例の増加と関連ありと考えている専門家もいるようです。アレルギー体質を本人や家族が持っている場合、お子さんには乳幼児期に必要以上に多くのゼラチンを含む食べ物を食べさせない方がよいのかも知れません。また、各メーカーがゼラチンを含まないワクチンの製造を開始しています。ワクチン接種前にご相談ください。

?? Q&Aコーナー??

Q: 子供が卵アレルギーとわかりました。一生、卵を食べられないのでしょうか?(ケーキ大好き母より)
A: 食物アレルギーにもいろいろなタイプがありますが、食べて30分以内に症状が出る人は一般的には食事制限をしたほうが良いと思います。卵、牛乳、大豆など乳児期から反応が出る食品は早い人で2-3歳、遅い方でも6歳位までには食べても症状が出なくなって食べられるようになります。世間では「少しぐらいの反応なら気にせずどんどん食べさせて抵抗力をつけた方がいいんだ」という考えもあるようですが、結果的には反応が消失する時期をかえって遅れさせるようです。一方、日本ソバやエビ・カニなどは発症がやや遅くなりますが、通常一生食べられないことが多いようです。食べた後の症状の強さは食べた量とその時の体調によって違うのでなかなか予想困難ですが、血液検査などである程度判断可能です。ご相談下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 12.3.97
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