97年12月号 第11号

 年末の忙しさにかまけて、この12月号は駆け込み発行になってしまいました。今時の気候は喘息にとっては良いようですが、アトピー性皮膚炎の人にとってはあまり好ましくないようです。さて、今年最後の話題はアレルゲンとして最も大切なダニのお話です。

最近の話題「ダニ退治 請け負います 」

 アレルギー反応をおこす原因(アレルゲン、第2号参照)は人それぞれですが、第一位は”ダニ”です。図にあるようにダニは8本足で昆虫(6本足)とは種が違います。ダニにもいろいろな種類がありますが、アレルギーと関係しているのは主にヒョウヒダニ(またはチリダニ)と呼ばれるものです。大きさは0.3mm前後で、肉眼では見えず、また人を噛んだりしませんから、アレルギー体質の無い人にとっては何匹いても全く感じないものです。「家の埃がアレルギーに悪い」とよく言われますが、実際にはダニが埃の主成分です。ダニは喘息の原因ばかりでなく、小児のアレルギー性鼻炎では花粉と同程度かそれ以上に重要なアレルゲンですし、最近ではアトピー性皮膚炎でも増悪因子の一つと考えられています。アレルギーの治療として、まずダニ対策から始めましょう。

 ダニは温かく湿気の多いところに生息します。具体的には床や寝具です。床でも最近流行のフローリングにはほとんど住めず、もぐり込める隙間のある畳やじゅうたんに多く居ます。殺虫剤なども開発されてはいますが、人体に対する影響や効果が一時的であるなどの問題点もあり、やはり吸い取るのが一番です。居間と寝室には毎日掃除機をかけましょう。また、ネコやイヌなどのペットが家の中にいると、それだけでダニの数が倍増すると言われています。ペットアレルギーの予防も兼ねて、ペットは屋外に出しましょう。次に寝具ですが、干したり布団乾燥機をかけたりして湿気を少なくするように心がけ、最後はやはり掃除機で吸い取ることが大切です(布団専用の掃除機の吸口があります)。寝具の手入れは一週間に一度はしましょう。また、毛布、縫いぐるみ、ソファーやクッションにもダニがいっぱいです。これらのことを根気良く続けることが大切です。

?? Q&Aコーナー??

Q: 冬場になると子供の肌が白く粉を吹いたようになり痒がっています。どうすれば良いのでしょうか?

A: 冬場には肌が冷気に曝されるなどして、皮膚を覆っているバリア機構が崩れてしまいます(第6号参照)。そのため、皮膚の水分が少なくなって乾燥し、痒くなってきます。この状態では特にホルモン入りの外用薬は必要なく、出掛ける前や入浴後に保湿剤を使って肌の潤いを保つように心がけることが第一です。また、毛糸の服を素肌に着るなどの、肌に直接チリチリするような刺激を与えることも避けましょう。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 12.23.97
maintained by Yuichi Adachi