98年2月号 第13号

 オリンピック大会での選手達の素晴らしい活躍にテレビに釘付けの毎日。選手の皆さんはきっといろいろな困難を克服して初めてあのような晴れがましい舞台に立つことができるのでしょう。アレルギー疾患をお持ちの皆さん、またちょっとがんばってみませんか? 今月の話題は先月の続きです。

最近の話題「気管支が弱いとは? パート2 」

 前回(第12号)、「発作が無い状態でも、傷(=炎症)が治っていない気管支は敏感で発作を起こしやすい(=気管支が弱っている)」と書きました。これを理解するために喘息発作を氷山に例えてみました(図:白い氷山が水の中に浮かんでいると考えてください)。喘息患者さんの多くは、図Aのように自分で感じる発作(水の上に顔を出している部分)の時だけが病気だと考えがちです。しかし実際には図Bに示すように、水面下にいつも気管支の炎症を抱えていて、時々自覚症状としての発作が現れるということです。ですから、発作を起した時だけ治療をしていてもなかなか喘息は治らないという訳です。図Cは思春期から青年期の喘息患者さんです。体力がついてくると発作の割には自覚する呼吸困難の程度が軽くなり、生活がさほど妨げられないので、周囲も本人も喘息が軽くなったと考えがちですが、実際には水面下に大きな傷が隠れていることがあるのです。ですから、思春期に喘息が良くなったと感じた時には、本当に治ったのか、それとも見た目だけが良くなったのかを確認する必要があります。

 実際にどう程度の大きさの氷山が水面下に隠れているのか、すなわち「どの程度、気管支が弱いか」を調べることができます。気道過敏性測定が最も正確ですが、激しく泣いたり動いたりすると咳き込んだり、運動後に喘鳴を認めるなどの症状からもある程度判断できます。また、ピークフロー値(第3号参照)を測定している人では、朝の落ち込みがあったり、毎日の値が大きく変動するなどの変化から、自分で気付かない不調を早期発見することができます。先月お約束した克服法までには紙面が足りませんでしたので、また次回に。

?? Q&Aコーナー??

Q: 気道過敏性はどうやって調べるのですか?

A: 当科では、ヒスタミンという気管支を刺激する薬を吸入します。肺機能を測定しながら濃度を徐々に上げてゆき、気管支が反応した所で終了します。簡単にいうと気管支の「我慢くらべ」のようなもので、より高い濃度が吸えた方が気管支がより強いということです。詳しくは、外来でご相談ください。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 2.15.98
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