98年3月号 第14号

 すっかり春めいてきました。スギの花粉も飛び始めています。今年の早い春は、喘息やアレルギー性鼻炎の患者さんにはいいのでしょうか、それとも悪いのでしょうか。いずれにしろ春は気持ちのいいものです。心地よく春を過ごすためにもアレルギーの勉強を続けましょう。今月の話題は3カ月続きの「気道過敏性」です。さて、どうやって克服すればよいのでしょうか?

最近の話題「気管支が弱いとは? パート3 」

 前回(第13号)、自分で気付く喘息発作は氷山の一角で、気付かない不調が奥に潜んでいることを書きました。さてその隠れた不調をどう克服すれば良いのでしょうか。まず、既に気管支の炎症(傷)があるのですから、これ以上炎症が進まないように(傷が深くならないように)しなければなりません。そのためには起こった発作を早く抑え、さらに次に起こり得る発作を予防することです。これだけで、多くの喘息患者さんは軽快してゆきますが、一部の患者さんにはさらに気管支の炎症(傷)に対する直接的な治療が必要となります。右にどの治療法が何を目的にして使われているのかをまとめてみました。同一の薬がそれぞれの機能に重複して記載されているのは、一つの薬がいくつかの作用を兼ね備えているためです。さて、ご自分(あるいはお子さん)にとって何のためにどの治療法が現在選択されているのかおわかりですか? 「発作を早く止め、次の発作を予防し、そして気管支の炎症を抑える」ことが「弱った気管支」を回復させる大切な方法です。
 では次に、自分にあった治療法を選択するにはどうすれば良いのでしょうか? ここ数年間の世界的な動きとして、喘息治療のカイドライン作りが盛んになってきています。それは、喘息の病態を正しく理解して理論的かつ実際的な(=理屈が合っていて簡単にできる)治療法を世界中の医師が共有しようという考えからです。日本においても内科と小児科でそれぞれ独立したガイドラインが作られています。医師はまず患者さんの重症度を判定し、その重症度によってガイドラインの定めた治療法を選択します。そのガイドラインのなかで特に注目されているのは、ステロイドホルモンの持つ強力な抗炎症作用であり、近年小児科領域でも吸入性ステロイドの使用される頻度が増加しています。

?? Q&Aコーナー??

Q: ステロイドホルモンは副作用が多いと聞いていますが、吸入性ステロイドは大丈夫でしょうか?

A: ステロイドホルモンを内服するとそれが血液の中を循環して身体中のいろいろな臓器に副作用を引き起こします。しかし、吸入性ステロイドは気管支に直接吸入され、効果を発揮した後は肝臓で速やかに代謝されるので殆ど副作用は認められません。しかし、吸入方法などの正しい知識が必要ですので、始める前に必ず詳しい説明を受けて、良く理解した上で使用してください。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 3.31.98
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