98年8月号 第18号

 だらだらと続く長梅雨もようやく終わり、夏本番です。「夏来たりなば、秋遠からじ(?)」 喘息の季節を前に、海へ山へと今のうちに身体を鍛えておきましょう。今月のテーマは喘息の重症度からみた「治療ガイドライン」です。

最近の話題「喘息治療ガイドラインについて 」

 前々回(第16号参照)と前回(第17号参照)で喘息の急性発作と慢性期の重症度について説明してきました。現在、喘息の治療は「喘息治療ガイドライン」に沿って行われており、どの治療を行うかは主に喘息の重症度によって規定されているので、重症度を正しく判断することが重要です。表に日本アレルギー学会の小児における治療ガイドラインを示します(注:成人では別のものあり)。まず、軽症の患者さんには環境整備や鍛錬療法が治療の中心を占め、時におこる発作時にテオフィリン製剤(テオロングやテオドールなど)や気管支拡張剤(メプチンやホクナリンなど)を頓用で使用します。これらの治療で軽快しない例や中等症の患者さんには、テオフィリン製剤の定期内服(RTC療法と言います)、インタール定期吸入、経口抗アレルギー剤の定期投与などから一つあるいはいくつかを組み合わせて使います。さらに、これらの治療で軽快しない例や重症の患者さんにはインタールにメプチンなどの気管支拡張剤を少量追加して定期吸入したり、吸入性ステロイドを開始したりします。中等症以上の患者さんには薬物療法が中心となりますが、軽症患者さん同様、環境整備や鍛錬は欠かすことのできない大事なものです。

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RTC療法とはround the clockの略で、「時計(clock)を一廻り」とでも訳せばよいのか、薬物の血中濃度が24時間一定になるような投与法を表します。通常の薬は内服後速やかに血中濃度が上昇、その後低下し、次の内服で再び上昇することを繰り返します。喘息ではいつ発作が起こるかわからないので、できるだけ血中濃度が安定するほうが効果的です。そのために、内服後長時間かけて溶け続ける徐放製剤を用います。現在、一日2回の内服が一般的ですが、1回の内服でもよい製剤(ユニフィルなど)も使われ始めています。問題点としては、一度上昇した血中濃度は短時間では低下しないため、中毒症状が出た際には回復に時間を要しますので、医師の指示通りに内服してください。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 8.3.98
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