98年10月号 第20号

 夏らしくない夏が終わり、喘息の季節「秋」がやってきました。運動会や学習発表会の練習で忙しい秋ですが、今年の調子はいかがですか? 9月に大阪で日本小児アレルギー学会が開かれました。今回はその時に発表した我々のデーターから、ネコと喘息の関係について解説します。

最近の話題「ネコ、やっぱりダメ? 」

 「アレルギー性疾患を持つ2歳以下の子供たちの約2割は既にネコ・アレルギーであり、その大部分は自宅あるいは実家でのネコとの日常的な接触が原因である」ことを明かにし、以前(第15号)このアレルギー外来ニュースでお示ししました。その後約1年間それぞれのお子さんを経過観察したところ、図のように観察開始時(青色)にはネコとの日常的な接触がある群もない群も喘息の発症率には差がありませんでしたが、約1年後(赤色)にはネコとの接触のある群のみで喘息の発症が20%から80%へと急増し、一方接触のない群では全く増加していませんでした。このことから、2歳以下の乳幼児では自宅や実家での日常的なネコとの接触によってネコに感作されやすく、さらに喘息の発症も高率であることがわかりました。喘息を未だ発症していないアトピー性皮膚炎で、なおかつネコとの日常的な接触がある2歳以下のお子さんは喘息の発症に要注意です。全ての病気は治療より予防です。ダニ対策と同様ネコ対策にも力を入れてみてください。しかし、長年飼ってきたネコを手放すのはなかなか大変なようです。ネコを頻回にシャンプーするなどの方法もありますので、外来でご相談下さい。

?? Q&Aコーナー??

Q: うちの子供は「掻かないように!」といくら注意しても、言うことを聞かず困っています。特に寝る前になると痒みが増すようです。どうすれば掻かなくなりますか?(アトピーの子を持つ母より)

A: アトピー性皮膚炎は痒いものです。そのため、いくら注意しても掻くのは当たり前。まして、眠くなって不機嫌になるとなおさらです。痒いのを叱ったりして力で押えつけようとすると、かえってストレスが増して痒みが強くなる可能性があります。厚着をしていれば一枚脱がせてみるとか、また服の上からさすってあげたり、気が紛れるように本を読んであげるなども良いかもしれません。日頃から、痒みを増す香辛料(チョコやカレーなど)を控えたり、スキンケアーを心がけたり、さらには抗ヒスタミン効果を有する薬剤を試みるのも方法です。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 10.21.98
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