99年2月号 第23号

 今年の冬はインフルエンザが猛威を奮っており、その合併症についていろいろと報じられています。しかし、現在流行中のインフルエンザは喘息発作を誘発するようなことはないようです。皆さんいかがお過ごしですか? さて、今月は「インター吸入」についてです。

最近の話題「この薬は何のため? インタール吸入 」

  インタールは、前回(第22号)解説した経口抗アレルギー剤と同様な薬理作用を有しますが、その一番の特徴は吸入できる薬剤であることです。吸入薬の利点は、経口では得られないような高濃度の薬剤を気管支局所に到達させられることです。しかし、内服薬は、喜んで飲もうとイヤイヤ飲もうと一旦体内に入ればその血中濃度は同じですから、効果も同じです。ところが、吸入はその仕方で効果に大きな差が生まれます。「泣いてもいいのよ、それすればいっぱい吸えるから」などといって泣きじゃくる子供を押さえ付けながら吸入させているお母さんを時々見かけますが、実際には泣いてしまうと息を吐くばかりで、吸入される(気管支に到達する)薬剤の量は激減してしまいます。静かにゆっくりとした呼吸で吸入しましょう。吸入には電動式吸入器あるいは携帯用の噴霧器を用いる方法がありますが、電動式吸入器を用いた「インタール+β刺激剤の定期吸入量法」が現在我が国独自の治療法として普及しています。これは、慢性的に細くなった気管支をβ刺激剤(気管支拡張剤)でまず拡張させることにより、より多くのインタールをより奥まで到達させて、その薬理効果を高めるというものです(図)。また、電動式吸入器を自宅に持っているために、定期吸入以外にも気管支拡張剤の吸入ができるという利点がありますが、自己判断による頻回の吸入は危険ですから、主治医とよく相談の上行って下さい。

?? Q&Aコーナー??

Q: インタール+β刺激剤吸入療法のことを聞いたのですが、インタール単独の吸入では効果が無いのですか?

A: インタール吸入液にβ刺激剤を混ぜる理由は、その気管支拡張効果を狙ったものです(図)。よって、発作を頻回におこしている人などには有効ですが、本療法を続けることによって発作回数が減ってくると気管支は開いてきますので、β刺激剤なしでも十分にインタール本来の効果が発揮されます。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 2.12.99
maintained by Yuichi Adachi