99年5月号 第26号

 すばらしい五月晴れが続いたと思ったら、突然の大雨で寒くなりと不安定な天候が続いています。こういう時はアレルギー症状が悪化しやすい時です。ご注意ください。今月は、4月に開かれた日本アレルギー学会の内容をお伝えします。

最近の話題「自宅での発作時吸入について 」

  学会でのシンポジウムのひとつに「吸入療法の利点と欠点」というものがあり、そのなかで当科からβ刺激剤(気管支拡張剤)吸入について発表しました。今まで、日本における自宅でのネブライザーを用いた発作時吸入の実態に関する調査がされていませんでしたので、今回、全国の小児科34施設で自宅に電動式ネブライザーを持っている患者さんの家族にアンケートをお願いし、合計846の回答を得ました。自宅で発作時吸入(定期吸入以外で気管支拡張剤を入れて吸入すること)をするのはどういう時ですかという質問に対して、図のような結果が出ました。患者さんの年齢別に見ると、乳幼児では「咳が出たら」や「咳き込んだら」吸入する人が全体の約半数を占めていました。一方、年長児では「小発作」で吸入する割合が増えていますが、逆に「中・大発作」で(呼吸困難が出てから)吸入している人も多くなっていました。  さて、医学的にはどれが正しいのでしょうか。気管支拡張剤を吸入する場合、気管支の収縮が軽いうちは良く効きますが、ある程度以上になると完全な回復は期待できなくなります。そのため、「早めに吸入する」ことが大切です。ただ、この時に気をつけなければならないのは、短時間に発作時吸入を繰り返す必要があるときです。それは、喘息発作そのものが段々と増悪していることを表していますし、また過度の吸入による循環器系への影響も否定できません。そこで、我々が薦めているのは「発作時には早めに吸入してよいが、3時間以上の間隔をとること。もし吸入の効きが悪くなってきているようなら、また一晩に3回以上発作時吸入が必要な場合には、早めに救急受診すること」というものです。我が国のガイドライン(第18号)では、「吸入による改善が一時的に認められても、1〜2時間以内に悪化し再吸入を必要とする場合には救急受診する」とされています。

緊急報告: 整腸剤でショック?

 牛乳アレルギーの子供が整腸剤(下痢などの消化器症状に対して処方される)を内服すると強いアレルギー反応を起こす可能性があるという報告が出されました。これは製造過程で脱脂粉乳がごく微量混入するためとされていますが、牛乳アレルギー児の内どの位の頻度で起こり得るのかなど細かいことはわかっていません。牛乳や乳製品の摂取を完全に制限している人は、消化器症状で病院を受診した際には医師にその旨を申し出てください。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 7.9.99
maintained by Yuichi Adachi