99年6月号 第27号

 スッキリしない天気が続いていますが、世間では、プール開きや海開きが行われ、そろそろ皆さんの気持ちも夏に向かって走り出しているのではないでしょうか。さて、今月は最近巷で流行の「気管支拡張剤のテープ」についてです。

最近の話題「貼って治す - 気管支拡張剤テープ - 」

  最近、巷では「貼って治す、喘息の新しいお薬」が流行っているようです。この薬の成分は、気管支拡張剤(β刺激剤)というグループに入るもので、以前から内服薬として喘息や気管支炎などの患者さんに処方されていたものです。この薬の改良点は、以前から内服薬として用いられていたものを、特殊なテープを用いることで、その作用時間をおおいに延長させることに成功したことです。従来の内服薬では1日2〜3回の投与が必要でした。特に低年齢児では、夜の服薬時間をあまり遅くすることができず、そのため深夜から明け方という発作のおこりやすい時間帯(ヒト気管支径の日内変動、第21号)に血中濃度が最低になってしまいます。一方、今回のテープは夜1回皮膚に貼るだけで、そのテープからじわじわとしみ出す薬の成分が皮膚から吸収されて、その効果を長もちさせるというものですから、先ほどの一番危険な時間帯にも血中濃度が安定しています。  このように理論上は大変好都合な薬であることには間違いありませんが、いくつかクリアしなければいけない問題点があると思います。まず、内服薬より血中濃度の上がりがゆっくりですから、急に調子が悪くなった時にこのテープを用いてもあまり効かない可能性があるということです。こんな時は内服か吸入の方が良いでしょう。また、喘息発作は単に気管支の収縮だけではないので、ガイドライン(第18号)に沿った他の治療法も併用することが大切です。さらに、アトピー性皮膚炎の皮膚でも吸収が同じかどうか、一度はがれたらどうすればよいのかなど、まだまだ明らかにすべき点がありますので、処方された医師とよく御相談の上お使いください。

?? Q&Aコーナー??

Q: うちの子供はアトピー性皮膚炎で、プールに入ると悪くなると思い、今まで一度も入れたことがありません。今年小学校に入学し、もうすぐプール授業が始まるのですが、どうすればよいでしょうか?

A: プール内の塩素が刺激になることはまちがいありません。しかし、プール後によくシャワーで洗い流し、保湿効果のある外用薬をつければ、皮膚炎の悪化はかなり防げると思います。子供の心身を鍛えるためにも、是非プールに入れてあげて下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 7.9.99
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