2000年2月号 第33号

インフルエンザも徐々に下火になってきたようです。今年流行のインフルエンザでは喘息発作は誘発されなかったようですが、皆さんはいかがでしたでしょうか。今回は、フローボリュームを指標とした呼吸機能検査です。

今月の話題「呼吸機能検査 フローボリューム」

 気管支喘息患者さんの呼吸機能を調べる方法にはいろいろありますが、そのひとつにスパイロメーターという肺気量を測定する機械を用いたものがあります。実際には、小学生以上の人で実施可能であり、深呼吸した息を思いっきり筒状の機械に吹き込みます。すると、図の左側に示した曲線(フローボリュームカーブと呼びます)がコンピューター画面に表示され、さらにコンピューターがその波形から5つの指標を計算して右側のようなレーダーチャートを作成してくれます。FVC、FEV1.0、PEFRは太い気管支の変化を表し、一方V50やV25はより細い気管支(末梢気道)の変化を示します。図には発作を起こしていない時の喘息児と喘息ではない健康小児の結果を示しました。一目でわかるように喘息児では非発作時でも末梢気道が健康小児に比して細くなっているのが分かります。FEV1.0などで表される太い気管支まで狭窄してくると、本人も呼吸困難を自覚し、さらに喘鳴も聞こえてきますが、このように細い気管支のみが狭窄している場合には全く自覚症状がありません。しかし、このように狭窄しているということは、気管支の奥で未だに炎症がおこっているということですから、単に自覚症状がないから大丈夫というものではなく、よりきめ細かい検査を行い、その結果をもとにして治療の長期計画をたてた方がよいと思われます。

?? Q&Aコーナー??

Q: 風邪をひくと喘息の発作が誘発されると聞きましたが、本当でしょうか?

A: 我々は、平成10年秋から平成11年夏までの1年間、喘息発作時のウイルス感染の関与の有無をMxAという物質を指標にして検討しました。その結果、冬が最も高率で63.6%であり、一方秋が最低の30.2%でした。このように季節によっても異なりますが、年齢によってもその頻度は異なり、やはり低年齢児程ウイルス感染の関与する割合が高いという結果でした。このように、風邪(ウイルス感染)は喘息発作をよく誘発するようですが、そのウイルスの種類によっても喘息をおこしやすいもの、おこしにくいものがあるようで、今冬に流行したインフルエンザではあまり喘息発作にはならなかったようです。家族全員、外出から戻ってきたらよくうがいをして、風邪の流行を防ぎましょう。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 5.8.00
maintained by Yuichi Adachi