2000年5月号 第36号

ゴールデンウィークも終わり、学校では修学旅行や運動会の季節がやってきました。前回は食物アレルギーについて解説しましたが、この春から幼稚園や学校での給食で苦労している人も多いのではないかと思います。今回は、「即時型」食物アレルギーへの対応について解説したいと思います。

今月の話題「食事制限はどうやって?」

 前回(第35号)、即時型の食物アレルギー(摂取後30分以内に発症、第5号)には食事制限をすることが大切であると書きましたが、食事制限をするにあたりまずどの食物が原因であるのかを同定する必要があります。食物アレルギーでも即時型反応を呈するものでは、エピソードと皮膚テストや血液検査(RAST法、第1号)などから概ね原因食品を確定することが可能です。実際には完全に除去するか、あるいは原因食物そのものはとらずに、混入している製品は食べるという方法があると思いますが、即時型の食物アレルギーでは、「ちょっとだけなら大丈夫」と思っているとその時の体調によっては症状が激しくなることもありますので、含まれている食品を含めて完全に制限することが大切です。乳幼児期の即時型食物アレルギーはかなり高い確率で寛解します。これは、乳幼児期の未熟な消化管機能が年齢が長ずるにつれて成熟する、あるいは腸管免疫機構が変化してゆくためと考えられています。このように最初だめなものでも徐々に食べられるようになるのですから、約半年〜1年に1回は「もう食べられるようになったかどうか」の評価をするべきでしょう。しかし、これには危険を伴うこともありますので、前もってアレルギー検査を受けて特異的IgE値が低下しているのを確認するか、あるいは病院や自宅での注意深い観察のもとで負荷テストを試みるかのいづれかで確認すると良いでしょう。また、同じ即時型でもエビなどの甲殻類やサバなどの魚類、さらにソバに対する即時型反応は年長児から成人に多くみられ、これらの食品は生涯にわたって食べることができない場合もあります。しかし、卵や牛乳などと異なり、日常生活を行う上でどうしても必要なものでないことは幸いなことです。

?? Q&Aコーナー??

Q: うちの子供は今1歳半ですが、食物アレルギーで卵を制限するように医師から指示されています。他の子供たちがおやつを食べているときに、うちの子だけが我慢しなくてはならずとてもかわいそうです。どうすればよいのでしょうか?

A: 食事制限をする時に大切なことは、親が毅然たる態度をとることです。同情するあまり、ある時は与え、ある時は泣いても食べさせない、といった一貫性のない対応になるとかえって子供が不安定となります。いずれ必ず食べられるようになるのですから、今しばらくは我慢させてください。その際には、祖父母の方とも協調して指導することが大事です。また、卵の入っていないおかしを作ってあげるのもひとつの方法です。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 6.24.00
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