2000年6月号 第37号

梅雨と言いながらいいお天気の続く毎日です。小学校ではもうプール開きが行われたようで、間もなく夏本番と言ったところでしょうか。ここ2回は食物アレルギーについて解説してきましたが、今回はがらりと内容を変えて「副鼻腔炎」についてお話したいと思います。

今月の話題「長引く咳、それは副鼻腔炎かも?」

 小児における長引く咳の2大原因は、気管支喘息と副鼻腔炎です。副鼻腔炎(ふくびくうえん)は主に上顎洞におこります。上顎洞とは上あごの骨の中にある空洞で、レントゲン写真では空洞は黒く写ります(写真右)。上顎洞は鼻の穴と直接つながっているのですが、アレルギー性鼻炎の悪化や風邪などで鼻の粘膜が腫れると、その通り道が狭くなって上顎洞に膿が溜まりやすくなり、最後には副鼻腔炎をおこしてしまいます。診断には、後鼻漏(こうびろう)といって、口をあーんと開けた時に膿性鼻汁がのどの奥で上から下に垂れ下がって見える状態や、ウォーター法というレントゲン写真で上顎洞の含気が見えなくなること(写真左)が重要です。治療には、1〜2週間の抗生物質内服などが必要となります。また、このような内科的治療で軽快しない場合は、合併しているアレルギー性鼻炎も同時に治療するか、あるいは耳鼻科専門医を受診して鼻吸入などの処置を続けて行うなど、治療の変更を必要とすることもあります。年齢が小さいうちには副鼻腔炎を何度も繰り返す子供が結構いますが、殆どの症例が思春期に入る前に軽快します。しかし、慢性副鼻腔炎のために、肺炎を何度も繰り返したり、喘息がなかなかコントロールできない例もありますので、お気をつけください。

?? Q&Aコーナー??

Q: 喘息と副鼻腔炎を合併している我が子ですが、咳が出た時にどちらの病気によるものなのか、あるいは単に風邪のためだけなのか、よくわかりません。判断する方法を教えください。

A: アレルギー疾患に副鼻腔炎を合併することはよくあります。副鼻腔炎を疑わせる状態は、1)布団に入ってから1〜2時間と朝方におこる痰のからんだ咳、2)膿性鼻汁やいびきを伴う、3)咳の割には発熱もなく元気、などの症状です。また、気管支拡張剤(吸入やテープ)が効果的な咳の場合には喘息の可能性が高くなります。さらに、発熱や全身倦怠感を伴う場合には、風邪の咳であるかもしれません。しかし、風邪で喘息や副鼻腔炎は増悪しますので、それぞれを全く独立した咳の原因と考えることは無理なようです。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 6.24.00
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