2000年9月号 第40号

 毎年のことですが、「暑い、暑い」と思っていてもちゃんと涼しくなるものです。しかし、気候の急激な変化はアレルギー性疾患にとってあまりよいことではありません。皆さん、調子はいかがですか? 今月の話題は、気管支拡張薬についてです。

今月の話題「気管支拡張薬(β2刺激薬)について」

気管支が収縮して空気の通り道が狭くなり、そのために呼吸が苦しくなったり、ゼーゼーしたりするのが喘息の発作です。当然のことですが、発作に対する治療にはその収縮した気管支を拡張させることが第一です。気管支拡張効果がある薬剤には、キサンチン製剤( 第21号)と一般に「気管支拡張薬」と呼ばれているのはベータ(β)2刺激薬があります(表1)。

  身体のバランスを保つ自律神経のひとつである交感神経はその役割によって大きく3つに分けられます(表2)。喘息に用いられているのは、そのうちβ2受容体というものを刺激することによって収縮した気管支を拡張させる薬剤です。そのため、正式な名前は「β2刺激薬」となる訳ですが、実際にはごくわずかですがβ1受容体も刺激してしまうのです(現段階の技術では、完全にβ2のみにすることは不可能)。その結果、大量あるいは頻回に使用すると、少ないはずのβ1作用が前面に出てきて喘息死などの危険性が増します。指示を守って正しく使用しましょう。


この気管支拡張薬は、経口、吸入、貼付( 第27号)といろいろな投与方法があることが特徴です(表3)。最も早く効くのが吸入です。発作が起こってから、内服したりテープを貼ったりする人がいますが、これらの方法は効果発現までに時間がかかるので、できれば早めに使用するよう心がけましょう。内服した場合に多いのですが、血液中の薬剤濃度が持続的に高くなる可能性があり、これが手の震えや小さい子供の夜泣きの原因になることがあります。このような場合には、発作用には吸入へ、予防用には貼付へと投与方法を変更すれば問題が解決することもあります。今回示した様に、同じ薬剤でも投与経路によって用途が異なりますので、医師とよく相談して自分にあった使用方法を決めて下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 11.24.00
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