2001年1月 第43号

 新世紀の新年、皆さんはどのように過ごされたでしょうか? お正月には、「一年の計は元旦にあり」とこの1年あるいは新世紀に向けた計画を立てた方もおられることでしょう。また、お正月には新しく日記を書き始めるという人も多いことでしょう。今回は、喘息日誌についてです。

今月の話題「新年はリニューアルされた喘息日誌で」

 まずは外来でよく耳にする会話をどうぞ。1ヶ月ぶりに定期受診された患者さんのお母さんが「昨日からまた調子が悪いです」。医師が「その前はいかがでした?」と聞くと、母は「うーん忘れましたが、昨日から調子悪いです」と。また、医師が「薬をちゃんと飲んでましたか?」と聞くと、「時々忘れていました」。医師が「何回くらい忘れてましたか」と聞くと「わかりません」。次に、中学生の男の子に「どうだった?」と聞くと、「調子よかった」と一言。「ピークフローも良かったかな?」と聞くと「測ってないからわからん」。そこで、肺機能検査(第33号第34号)をすると結果はとても悪かったので、もう一度聞いてみると「実は結構ゼーゼーしていたが、今は良い」と答えてくれる。  喘息は慢性に経過する病気ですから、まず病気の動きがわからなれけば根本的な治療法はうまく見つかりません。まず、喘息日誌をつけることから始めましょう。ピークフロー値を毎日、朝晩記録することはとても大切なことです。「自分の身体は自分が一番よくわかる」という考えは間違っています。実際にピークフロー値をきちんとつけている人の喘息日誌を見ると、発作がおこる1-2日前からピークフロー値が下がってくることがよくあります。この段階で薬の調整をすれば大きな発作には至らずに済むかもしれません。また、日頃の状態や服薬状況を日誌を通して自分の目で確かめることも大切です。また、医師の立場からすれば、病院で1か月に1回聴診器をあてるだけではどれほどの情報も得られません。そのために、肺機能や気道過敏性検査(第25号)などを外来で行うのですが、肝心の患者さん本人からの情報が曖昧では、どのように治療方針を立てていけば良いのかわかりません。この度、ピークフローの値をグラフとして記入することができるように、今までの喘息日誌を改良しました。新しい年、新世紀は、是非リニューアルされた喘息日誌(ダウンロードできます)をきちんとつけることからはじめてみましょう。

?? Q&Aコーナー??

Q: ピークフローメーターで毎日測定していますが、どのくらいの値が出ればよいのでしょうか?

A: いくつかの正常値を求める式が出されていますが、現在下に示す(鳥越先生による)式が比較的よく利用されています。男女とも共通です。
予測値 (リッター/分) = 4.8 x 身長 (cm) -370
しかし、これはあくまで参考値にすぎず、実際には1か月ほど毎日記録した上で、その患者さんの自己ベスト値を割り出します。その後、ベスト値からどのくらいはずれるのか、あるいは朝晩の差が大きいのかなどによって、治療を調節していきます。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 1.30.01
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