2001年4, 5月 第46号

 目のかゆみに悩まされたスギ花粉の季節も過ぎ、新緑が目に眩しい季節になってきました。アレルギー性結膜炎ばかりでなく、鼻炎や喘息の調子はいかがだったでしょうか。今月は、食事アレルギー診断用食品について解説します。

今月の話題「目を閉じて食べれば、ぴたりと当る?」

 最近、テレビで芸能人の格付けをするために、目隠しをして高級な食べ物と安物とを食べ比べさせている番組を見かけます。その時なぜ目隠しをするかというと、人間は視覚(この場合にはおいしそうな色つやなど)にだまされやすいからです。食物アレルギーにおける原因食物の同定にも同じことが言えると思います。「今日はこの子にとって悪いはずの卵を食べさせたから、きっと湿疹がひどくなるはず」という気持ちで子供を観察していると、全く違う理由(ある時は汗のかき過ぎ)でその夜に悪化した皮膚炎でも保護者にしてみると、悪化した理由は全て卵アレルギーのせいになってしまう恐れがあります。そのため、今までの食物負荷試験(図)では、負荷を2回行うことになっていましたが、それでも家族や本人の主観が入る可能性は否定できませんでした。そこで登場したのが、盲験法といって匂い・味・外観では全く区別できない試験食を用いる方法です。例えば、卵が疑われる人に、卵入りと卵が全く含まれていない試験食を何日間かの間隔をあけて食べてもらい、その後の反応を観察します。観察期間が終わったところで、どちらの食品に卵が入っていたかを知らせ、卵入りの食品を摂った時だけ症状の悪化を認めれば、卵が原因と確定します。この方法は、食物アレルギーのなかでも、特に湿疹タイプ(第35号)のもので有用と思われます。主治医にご相談下さい。

学会便り

日本アレルギー学会春季大会の話題

 5月11-13日、第13日本アレルギー春季臨床大会が横浜で開催されました。いくつかのシンポジウムが開かれましたが、「21世紀の患者教育とマネージメント」というテーマで行われたものが非常に興味深いものでした。その中で、医師・看護婦・救命救急士・呼吸理学療法士などが、患者さん達にどのように接してゆけばより多くの知識が伝搬できるのか、また患者さんの知識を増やすことが最終的な目標である患者さんの生活の質(クオリティー・オブ・ライフ)の向上につながるのかなどが議論されました。患者さんにいろいろなことを知ってもらうのは、単なる知識の詰め込みを目標とすることではなく、自分の病気を知ることによってより前向きな姿勢が得られるようにする(今風の言葉では、モチベーションを高める)ためです。このアレルギー外来ニュースもその手段のひとつですが、最近皆さんにこのニュースに対するアンケート調査を行いました。理解しやすさやテーマの選び方については、それなりの評価をいただきましたので、これからもこのスタイルで続けてゆこうと思います。お気づきの点がありましたら何なりとお知らせ下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 7.7.01
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