2001年6月 第47号

 蒸し暑い雨模様の日々が続いています。そんな中でも、色美しく咲いているは紫陽花であり、元気に飛び跳ねているのは蛙と子供たちです。そこで、今回は元気で飛び回っているとゼーゼーしてしまう運動誘発喘息について解説します。

今月の話題「走っただけでもゼーゼーするのはなぜ?」

 喘息の子供は、大笑いしたり騒ぎすぎたりしただけで、咳込んだりゼーゼーしたりすることがしばしはあります。また、小学生以上になると、体育の授業などで同じような症状をおこすことがあり、これらを運動誘発喘息 と言います。発症機序は、気管支が運動に伴う多呼吸によって冷却・乾燥するために収縮するというものです(第8号参照)。運動によって誘発される症状の多くは、しばらく休憩すると自然に軽快してくるので、多くの患者さんは運動誘発喘息をあまり重大に考えていないかも知れませんが、頻回に起こるとなると日常生活に支障をきたす恐れも出てきます。  誘導誘発喘息を予防する方法を表に列挙しました。具体的には、少し汗ばむ程度の軽い運動をまずしてから激しい運動をするとか、携帯用の吸入器を用いて運動前にインタールやβ刺激薬を吸入すると、その後に運動しても咳込みや喘息発作は誘発されにくくなります。さらに、日頃からトレーニングを積んでおくと、以前には発作を誘発したような程度の運動も問題なくできるようになります。しかし、何故そのお子さんがそんなにしばしば運動誘発喘息を起こすのかも考える必要があります。というのも、気道過敏性(第12号第13号第14号第25号)が亢進しているほど(=気管支が弱いほど)運動誘発喘息は起こりやすいからです。ですから、運動誘発喘息がでやすいということは喘息そのものが良くなっていないということを意味している可能性があり、そのことを確認するためには肺機能検査(第33号)や気道過敏性を測定し、その結果が芳しくない時には一段上の治療に進む(ステップアップ)必要があるかもしれません。

お知らせ

ご家庭のダニの量を測定してみませんか?

アレルギー外来ニュースでも何度か取り上げているように、アレルギー性疾患にとって家庭内のダニ は最大の敵と言えるでしょう(第9号第11号第28号第29号)。最近、そのダニの量が簡単に測定できるようになりました。具体的には、掃除機のホースの途中に専用の袋をとりつけて、いつもより少し長めに(1/2畳の面積を約2分間)掃除機をかけるだけ。あとは、その袋を検査センターに送れば、埃の中のダニの量を測って病院に報告してくれます。この袋は非常に単純な作りになっているので、ほとんどの掃除機に使用可能です。家庭内のダニの量を知ることによって得られるメリットとして、まず日頃の環境整備がどの程度うまくいっているかをチェックできるという点が挙げられます。また、居間や寝室や勉強部屋を別々に掃除して、それぞれの部屋のダニの量をチェックすることによって、今後どの部屋をより重点的に掃除していけば良いのかもわかります。今まで、ただ漠然と掃除をしなければダメと思っていた掃除も、ダニの量を時々チェックすることによって、より効率的になることでしょう。ご希望の方は、外来主治医にご相談下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

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