2001年9月 第49号

 秋もすっかり深まってきました。季節の変わり目にはどうしても発作の数が多くなりますが、皆さんはいかがでしょうか。今回は、喘息に対する新しいお薬の解説をします。

今月の話題「噛んで飲む、新しいタイプのお薬」

 喘息の治療薬は大きく2つのグループに分かれます(表)。まず、気管支拡張薬(β刺激薬、第40号)やテオフィリン製剤といった発作に対する治療薬、次に発作が繰り返すことを少なくして最終的に喘息を治すための長期管理薬です。長期管理薬には、経口抗アレルギー薬(第22号)、テオフィリン製剤によるRTC療法(第21号)、インタール(第23号)やステロイド(第19号)による定期吸入療法がありますが、今回は経口抗アレルギー剤の仲間に新たに加わった抗ロイコトリエン薬についてです。このアレルギー外来ニュースでも、すでにオノンという商品名で発売された抗ロイコトリエン薬について解説しましたが(第38号)、このたび発売された新しい抗ロイコトリエン薬(シングレアやキプレスという名前で、オノンとは成分が違っています)はいくつかのユニークな特徴を持っています。その特徴とは、まず1日1回の服用でよいということ、さらに「噛んで飲む」という形を採用した点です。1日1回でよいお薬は第41号で解説したようにいくつかのものが既に発売されて、服薬を忘れる人が少なくなるなどの効果を挙げていますが、「噛んで飲む」ということに関しては違和感を抱かれる方も多いかと思います。しかし、欧米、特にアメリカでは子供用のいろいろな薬がこの「噛んで飲む」タイプとして受け入れられていますし、味もチェリー味で子供にしてみれば「ラムネ菓子」のような感覚であまり抵抗なく服用できるようです。これらの抗ロイコトリエン薬の効果や作用機序については、以前の解説(第38号)を見ていただきたいのですが、今後経口抗アレルギー薬のなかでは重要なお薬のひとつになっていきそうです。 

お知らせ

ハムスターにご注意

 新聞報道で既にご存知と思いますが、飼育しているハムスターに噛まれて強いアレルギー反応(喘鳴、呼吸困難、全身の蕁麻疹)を呈した15歳の男児例が報告されました(小児科臨床、2001年)。この患者さんは、以前から気管支喘息に罹患しており、またハムスターは2年前から自宅で飼っていたそうです。我々の外来でも、ハムスターが喘息の悪化原因のひとつで、飼育を止めることによって喘息が改善した症例をしばしば経験しています。稀なことかも知れませんが、今回報告されたような激しい症状が出る可能性もありますので、現在ハムスターを飼われている方、子供が「飼いたい、飼いたい」と言っているご家庭ではご注意下さい。


富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 10.9.01
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