2001年12月 第51号

 新しい年を迎える準備はお済みでしょうか? 大掃除をされているご家庭も多いかと思いますが、換気を良くしたり、マスクをするなど、喘息のお子さんが埃を大量に吸い込まないように気をつけましょう。今回のテーマは、喘息発作時の肺機能測定についてです。

今月の話題「ゼーゼーしたら、測ってみよう」

 喘息患児の肺機能を調べる方法については、過去のアレルギー外来ニュースで何度か解説してきました。具体的には、表の非発作時の項目に列挙したようなピークフロー(第3号第44号)、フローボリューム曲線(第33号)、気管支拡張剤に対する反応性(第34号)、気道過敏性(第25号)などの検査ですが、これらの検査は喘息発作が起こっていない時に自宅や病院で行うもので、喘息が日頃からうまくコントロールされているかどうか、あるいは喘息が長期的に良くなってきているかどうかを見るものです。
   一方、発作時にも肺機能を測定することがあります。一般的には、喘息発作の重症度を判定するには日本小児アレルギー学会の基準(第16号)を用いますが、さらにピークフローや酸素飽和度などの客観的な値を測定して判断の一助とすることがあります。ピークフロー値を常日頃から自宅で定期的に測定し(第44号)、調子の良い時の値(自己ベスト)に比べてどの程度低下しているかを見ます(ピークフローは、4歳位から吹けるようになります)。例えば、自宅で子供さんの咳が多くなってきた時に、もしピークフロー値が自己ベストとあまり変わらなければ、喘息発作のための咳ではなく感冒などの影響が大きいと判断できます。一方、もしピークフロー値が低下していれば、いくら喘鳴がはっきりしていなくても喘息に準じて治療を開始することができます。さらに、発作のためにβ刺激薬(メプチンやベネトリンなどの気管支拡張薬)を吸入した時には、吸入後のピークフロー値が自己ベストに近づいていれば効果ありと判断できますが、もし吸入前の値に比してあまり改善していない時には、本人がいくら楽になったと言っても、実際にはあまり効果がなかったと判断して、病院を受診した方がよいでしょう。このように、ピークフローを測定することは、自宅などで咳嗽や発作が出現した時の対応を判断する上でとても貴重なものです。  また、酸素飽和度測定は、病院で指先にセンサー(パルスオキシメーターと言います)をつけて、採血することなく血中の酸素濃度を簡単に調べることができる方法です。乳児から測定でき、正常値は98〜100%で呼吸困難が進行すると低下します。ただし、β刺激薬吸入によってピークフロー値が改善しても、酸素飽和度はすぐには改善しないことが多いので、注意が必要です。 
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 21.1.02
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