アレルギー外来ニュース 平成14年10月号

2002年10月 第58号

 今年の秋は寒暖の差が例年になく大きかったせいか、例年以上に多くの喘息患者さんが発作をおこして救急外来を受診したり、入院されたりしました。皆さんはいかがだったでしょうか。今回は、医療従事者と患者さんサイドとのパートナーシップ構築についてです。

今月の話題「医師-患者間のパートナーシップとは」

 先日来、外来で患者さんやその保護者の方にいろいろなアンケートをお願いしていますが、その目的のひとつは日頃から皆さんがどのような点をお知りになりたいのか、またどのような事に困っておられるのかを調査することでした。
 GINAという喘息治療に関する世界的なガイドラインのなかでは、患者さんへの情報提供、医療従事者の情報収集がスムーズに行われることが喘息を治療する上で非常に大切であると述べられています。日頃から医師は病気についていろいろなことをお話しします(情報提供)が、このことは本当に患者さんが希望している情報なのか、また他にもまだお知りになりたい情報はあるのではないかといったことを我々医師側は知りたいと思っています。ですから、患者さん自身から病気や治療に関して質問していただくことが一番です。また、医師が「調子はいかがですか?」と尋ねる(情報収集)と「絶好調」とか「きちんと吸入しています」と言われる患者さんの中には、肺機能検査の結果からそんなに調子が良いとは思えない方もおられます。患者さんの体調や服用状況に関する情報が十分に医師側に伝わっていないと、治療不足のままであったり、副作用が発見されにくいといった結果にもなりかねません。ですから、医師と患者さんとの間の情報交換は非常に大切なものであり、スムーズな情報交換が行われるためには「医師-患者間のパートナーシップ」が十分でなければなりません。そのためには、医療提供者側は
  1. 病気や治療に関する情報はできるだけわかりやすくお伝えする
  2. 治療内容をあまり複雑にしない
  3. 謙虚に患者さんの話を聞く
などいろいろ心がけて行きたいと思います。また、患者さんやその保護者の皆さんには、できるだけいろいろな意見を述べていただきたいですし、より良い医師-患者関係が最良の治療効果につながるということをご理解のうえご協力いただきたいと思います。

前号についての補足説明

前号(第57号)で、気管支拡張薬は「長期間使用していると効き目が落ちてくることがある」とか「気管支拡張薬だけ使っていると、かえって喘息が悪化する」ということを書きました。その後、一部の方から「テオフィリン(商品名:テオドール、テオロング、ユニフィルなど)を使うと駄目なんですか?」と聞かれました。こちらの言葉の使い方に混乱を招く表現があったためと思われますので、ここで言葉の定義をはっきりさせましょう。前号で説明しました「気管支拡張薬」とは表の「β2刺激薬」のことですので、テオフィリンは長期間単剤で使用しても問題ありません。問題があるのはβ2刺激薬(商品名:メプチン、ホクナリン、ベネトリンなど)ですので、お間違えないようにお願いします。
【編集後記】いろいろなことに疑問を抱き、それを医療従事者に返していただけるというのは、良好なパートナーシップの証拠かもしれません。(悠)

富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 20.12.02
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