アレルギー外来ニュース 平成15年8,9月号

第65号 2003年8,9月

 今年は夏が暑くなかった分、夏休みを満喫できず、さらには秋の訪れを今ひとつ実感できない方も多いのではないでしょうか。天候不順の秋には、喘息発作が起こりやすいようです。お気をつけください。
さて、今回は2歳未満の乳幼児喘息に対する治療・管理ガイドラインの解説です。

今月の話題「新しいガイドライン(4):2歳未満」

吸入ステロイド:フルタイド、ベコタイド
ロイコトリエン拮抗薬:オノン
DSCG:インタール
テオフィリン:テオロング、テオドール
β2刺激薬:ホクナリンテープ、メプチン
吸入ステロイド薬
 
以下1つまたは複数の併用(考慮)
 
ロイコトリエン受容体拮抗薬
DSCG+β2刺激薬
テオフィリン徐放製剤
 
 
 
 
就寝前
β2刺激薬(貼付・経口)
吸入ステロイド薬
 
以下1つまたは複数の併用(考慮)
 
経口抗アレルギー薬
DSCG+β2刺激薬
テオフィリン徐放製剤

就寝前
β2刺激薬(貼付・経口)
 経口抗アレルギー薬
 
以下の1つまたは複数の併用(考慮)
 
DSCG+β2刺激薬
テオフィリン徐放製剤
 
吸入ステロイド薬(考慮)
発作に応じた薬物療法
抗アレルギー薬(考慮)
ステップ1
間欠型
ステップ2
軽症持続型
ステップ3
中等症持続型
ステップ4
重症持続型

 今まで、6歳以上(第62号)と2〜5歳(第64号)のガイドラインをお示ししました。今回で小児の全年齢層を網羅したことになります。重症度分類は他の年齢区分と変わりませんし、基本的な治療方法は2〜5歳の内容と似通っています。大きな違いは、ステップ2で2〜5歳では経口抗アレルギー薬、DSCG+β2刺激薬、テオフィリン叙放製剤のいずれかまたは複数を選択することになっていますが、2歳未満では服用の簡便さから経口抗アレルギー薬が第一選択薬となっています。今回の改訂で特筆すべきことは、どの年齢層においても吸入ステロイドを積極的に使っていこうという考え方です。ただし、乳幼児の軽症喘息ではステロイドを使わなくても軽快する例もありますので、「喘息なら必ずステロイドを使わなくてはいけない」という考え方まではする必要がないと思います。

生後6ヶ月未満にはテオフィリンはダメ


 テオフィリン製剤は喘息の発作ならびに長期管理に欠くことのできない薬とされていました。しかし、身体機能が未熟な乳児(特に6ヶ月未満)では、テオフィリン製剤の血中濃度が高くなりやすく、そのために不機嫌や嘔吐、さらには痙攣などの副作用を可能性があります。そこで、今回のガイドラインでは「6ヶ月未満の赤ちゃんにはテオフィリン製剤を使用しない」ということになりました。それ以上の年齢のお子さんでも、感冒時や発熱時に前述のような症状がある時には注意が必要ですし、熱性痙攣やてんかんをお持ちのお子さんは主治医と相談してください。
【編集後記】 小児科の薬は年齢も大切ですね(誘)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 02.07.03
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