アレルギー外来ニュース 平成16年1月号

第67号 2004年1月

 新しい年を迎え、気がつけば平成も16年です。地球温暖化のせいか、すっかり雪の量が少なくなったとはいえ、時々に積もる雪に雪国の冬を感じます。この冬はインフルエンザがどの程度流行るのか、SARSや鳥インフルエンザが日本でも発病するのか、心配の種がつきませんが、予防には手洗いやうがいが大切です。皆で気をつけましょう。さて、今回は、代替フロンのお話です。

今月の話題「地球に優しい吸入器」

  喘息治療において、吸入療法は非常に重要なものです(第19号23号56号参照)。薬物を患部に直接投与できるために、効果発現が早く、また全身投与では副作用がでる可能性のある薬物を安全に使用できるなどの利点があります。吸入する方法には、ネブライザーや粉末を吸入する方法と共に、ボンベ式携帯用吸入器(MDIとも言われています)があります。これはボンベからガスと薬物を霧状に噴き出させるものですが、ガスとして長年使われていたのは地球表面のオゾン層を破壊することで有名になったフロンです。フロンの環境への影響が明らかになった後、モントリオール議定書によってフロンの使用全廃が決定され、数年前からクーラーなどの電気製品への使用は禁止され、最後に残った薬剤においても今後使用中止となります。そのため、各製薬メーカーが代替フロンを用いたMDIの開発を行い、ようやく市場に出揃ったようです(表)。一部の製剤は、薬剤の溶解性を高める(それによって、吸入効率が高くなるそうですが)ために、エタノールというアルコールを若干入れています。そのために少しアルコール臭を感じることもあるようですが、無害ですので心配要りません。
充填ガスフロン代替フロン
薬剤商品名商品名アルコール臭
吸入ステロイドベコタイド(製造中止)フルタイドエア(新規)  −
キュバール(新規)  ○
DSCGインタールエアロゾル(変更)インタールエアロゾルA  −
気管支拡張薬メプチンエアー(変更)メプチンエアー  ○
サルタノール(変更)サルタノール  −

今年の春のスギ花粉は?


 スギ花粉症の人には朗報です。今年は、スギ花粉飛散数が少ないと予想されています。12月に行われた富山県内の調査結果からは、今年の飛散数は例年の半分以下、昨年の1/4程度と推定されています。スギ花粉の量は前年の夏の天候に左右されることが知られていますが、昨年の夏は比較的冷夏(平年より4.4度低い)であり、さらに降水量も多かったために、今年は花粉不作の年となったようです。それでも、全く飛ばないわけではありませんので、スギ花粉に敏感な人にとっては症状が出現する可能性は十分にあります。昨年の春に症状が強かった方には、抗アレルギー薬の予防投与をお勧めします。 富山県の花粉関連情報は、富山県林業試験場ならびに富山県医師会花粉症対策委員会の協力によるホームページ(下記)を参考になさって下さい。
http://www.fes.pref.toyama.jp/
 富山県医師会花粉症対策委員会のテレフォンサービスは、076−428−9888です。
【編集後記】 吸うアルコール? 酔っ払わないから大丈夫です。(湧)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 28.01.04
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