アレルギー外来ニュース 平成16年2月号

第68号 2004年2,3月

 例年よりも多く雪が降った冬も終わり、春の気配が漂い始めています。インフルエンザも思ったほどには猛威をふるわなかったようですが、これもワクチンが普及してきたおかげでしょうか。ワクチン接種といえば、アレルギー児をお持ちの親御さんにとっては心配なことだと思います。今回は、ワクチン接種時の皮膚テストについての解説です。

今月の話題「アレルギー児へのワクチン接種」

 昨年5月、日本小児アレルギー学会が、アレルギー児へのワクチン接種基準を公表しました。その中には、まず、喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー体質を持っているだけでは接種不適当者にはならないということが明記されています。では、どういう子供が気をつければよいかというと、「ワクチン成分に対してアレルギーを有する者」ということになります。アレルギー反応を起こしやすいワクチン成分として、卵、ゼラチン、抗生物質が挙げられます。わが国では1994年以降に生ワクチン接種後のアレルギー反応が急増しましたが、その後その原因が安定剤として使われていたゼラチンであることがわかり (第10号)、今ではゼラチンを含むワクチンはなくなり、アレルギー反応の頻度も激減しました。一方、卵アレルギーの人には麻疹ワクチンは要注意と言われていましたが、麻疹ワクチンに関してはアメリカでは事前の検査なしでも卵アレルギー児に接種可能とされています。一方、日本では、インフルエンザワクチンと共に麻疹ワクチンついては、卵摂取により重篤な症状(全身の発赤、呼吸困難、血圧低下など)が誘発される可能性のある人には、皮膚テストを行った上で接種の可否を判断している施設が多いようです。この皮膚テストについての統一基準が今までなかったため、日本小児アレルギー学会が接種基準を作成しました(日本小児アレルギー学会誌 17(5):569-574;2003)。これを参考にすれば、かなり安全にワクチン接種が可能になると思われますが、この検査も100%ではありませんので、ワクチン接種後最低30分は医療機関内で様子観察することを必ず実行してください。

Q & A


Q: うちの子供は吸入することを嫌がります。味か臭いが悪いようです。何か良い方法があれば教えてください。
A: 吸入する薬剤の種類によっては、味や臭いが良くないことは確かです(例えば、ビソルボンは苦いような味がしますし、ムコフィリンは硫黄のような臭いがします)。しかし、一般に喘息でよく用いられるインタールやメプチンなどでは、このような訴えを聞くことは少ないようです。一方、臭いの原因としては薬剤だけでなく、吸入器や吸入嘴管、送気チューブに問題があることがあります。実際にチューブの中のばい菌を調べたら、細菌やカビが繁殖していたという報告もあります。一度、吸入器のフィルター、嘴管、チューブなどを点検されてみてはいかがでしょか。
 また、一部の施設では、吸入液のなかにバニラエッセンスなど子供の好きそうな匂いの素を入れて吸入させているところもありますが、定期的に長期間使用した場合の安全性は証明されてたおりませんので、短期間使用に限ったほうがよいかもしれません。

富山県の花粉関連情報


富山県林業試験場ならびに富山県医師会花粉症対策委員会の協力によるホームページを参考になさって下さい。富山県医師会花粉症対策委員会のテレフォンサービスは、076−428−9888です。
【編集後記】どうしても吸入器の点検はおろそかになりがちです。気をつけましょうね。(幽)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 04.03.04
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