アレルギー外来ニュース 平成17年1、2月号

第73号 2005年1月、2月

 新しい年が始まりました。昨年は、日本を含めた世界のあちらこちらで災害や争いが多く見られました。今年は、もっと明るく、実りある年になることを祈っております。さて、今回のテーマは、最近我が国で小児でも使うことができるようになった吸入ステロイド薬、キュバールについてです。

今月の話題「一味違った吸入ステロイド」

 気管支喘息の治療では重要な位置を占めている吸入ステロイド薬は、以前にはフロンを用いて一定量の薬剤を噴霧する加圧式定量噴霧吸入器(ベコタイドやアルデシンなど、pMDIと言います)の形でしか使用することができませんでした。しかし、フロンによる環境破壊が問題となり、今では粉末で吸入するか(フルタイドやパルミコートなど、第56号)、代替フロンを用いた吸入器(第67号)を用いるかのいずれかとなりました。後者としては、既にフルタイドエアが小児でも使用可能であり、多くの患者さんで効果を発揮しています。
 最近、フルタイドエアとは少し違ったタイプの吸入ステロイド、キュバールが我が国で小児においても使用できるようになりました。キュバールの特徴の第一は、「アルコール臭がする」ということです。もともと吸入ステロイドは水には溶けにくいものでしたが、微量のアルコール(正確にはエタノール)を添加することにより、噴霧される薬がより細かい粒子になりました。小さい粒子の方が肺の奥まで到達しやすくなりますから、もともと気管支が細い小児にとっては有用であろうと考えられます。その一方で、「このアルコール臭いのはどうも」とか「子供にアルコールを与えていいのか」などのご意見もあるようです。実際には、含まれるアルコール量はごく微量であり、小児においても危険になるような量ではないことが示されています。第二の特徴は、「噴霧する時にゆっくり薬が出てくる」ことです。従来のpMDIでは、とても短時間で薬が噴霧されるために吸入するタイミングを逃してしまうと、十分に薬が肺内に入らないことがありました。お年寄りなどにはとても重宝な仕組みだと思いますが、小児に使用する時には、副作用防止のためにスペーサーを用い吸入し、吸入後にうがいをするという方法が良いと思います。 

今年の春はスギ花粉が豊作!?


 富山医科薬科大学公衆衛生学教室に本部のある「花粉症研究会」からの報告によりますと、今年のスギ花粉総飛散数は過去の平均の2.5倍、昨年の18倍にもなる見込みだそうです。花粉量は前年の夏の天候に大きく左右され、昨年の富山市における7月の平均気温は平年より2.1℃高く、日照時間は平年より36.2時間長かったことが大量の花粉発生につながるそうです。大量に飛ぶ年には、飛び始める時期も早くなるそうですから、早期予防と治療が大切です。詳しい情報は、
富山県林業試験場ホームページ
富山県医師会花粉症対策委員会テレフォーンサービス(076-428-9888)、
花粉症研究会ホームページなどでご覧下さい。
【編集後記】花粉ではなく、食べ物が豊作になりますように!(勇)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 05.04.11
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