アレルギー外来ニュース 平成17年5,6月号

第75号 2005年5,6月

 スギ花粉の大量飛散が終わったと思っていると次には雨の降らない梅雨時。このように変な天候が続くと、アレルギー疾患を含めいろいろと体調が悪くなりそうです。余裕のあるゆったりとした生活を心がけて体調管理に気をつけてください。今回は、眠くなりにくい抗ヒスタミン薬が小児でも使えるようになったことについて解説します。

今月の話題「新登場、眠くなりにくい抗ヒスタミン薬」

   ヒスタミンは、ダニや花粉などのアレルギーの原因物質(アレルゲン)が体内に入ると「好塩基球」や「肥満細胞」(アレルギー反応に関係する細胞、第5号参照)などから放出される物質です。その働きには、喘息での気管支平滑筋の収縮(=発作)、アレルギー性鼻炎での鼻粘膜からの分泌亢進(=鼻水)、アトピー性皮膚炎での皮膚の痒みが挙げられます。この作用を抑える薬物として抗ヒスタミン薬があります。開発年度の古いものを第1世代の抗ヒスタミン薬として位置づけ、それ以降種々の改良が行われて現在までに第二世代・第三世代の薬剤が使用可能ですが、それぞれには下表に示すような特徴があります。

抗ヒスタミン薬の分類
  抗ヒスタ
ミン作用
抗アレル
ギー作用
眠気代表的な薬剤
第一世代ありなしありぺリアクチン、アタP
第二世代ありありありザジテン、セルテクト
第三世代ありあり少ないアレグラ、アレジオン

 抗ヒスタミン作用を有する薬剤はアレルギーのお薬以外には、一般的な風邪薬の中にも含まれています。皆さんの中にも、感冒薬や花粉症の薬を飲んだ時に昼間から眠たくて困ったという経験をお持ちの方も多いと思います。最近、その眠気の作用をできるだけ少なくした薬剤が開発されて主に成人領域で使われてきていましたが、ようやく小児でもドライシロップ製剤(甘い粉薬)が使用可能となりました。しかも、このお薬は1日1回の服用で済むというメリットもあります。今まで、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の薬を飲ませると、子供が眠たそうにしていて困ったという方、担当医にご相談下さい。
*抗ヒスタミン薬が眠気を起こすのはこの薬剤が脳内のヒスタミン受容体というところをブロックするためと言われていますが、第三世代の薬剤で眠気が少ないのはこの薬剤の脳内移行が少ないためと言われています。

2005年秋 小児気管支喘息治療・管理ガイドラインが改訂になります

  2002年に改訂されたガイドラインが今年の秋に改定される予定です。現在、その作業が行われているところですが、テーマのひとつには薬剤の副作用をいかに少なくして長期的な治療を進めていくかというものがあります。吸入ステロイド、気管支拡張薬(β刺激薬)、テオフィリン製剤、抗ヒスタミン薬などいろいろなお薬がありますが、正式に公開されましたら詳細についてご案内しますのでご期待下さい。
【編集後記】「両刃の剣」という言葉がありますが、薬物には良い面(効果)と悪い面(副作用)の両方があることを再認識する必要がありますね。(由)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 05.07.29
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