アレルギー外来ニュース 平成17年7,8月号

第76号 2005年7,8月

 いつまで続くのかと思っていた暑い暑い夏もようやく終わりを告げ、朝夕の風が心地よく感じる頃になってきました。しかし、秋は喘息の季節。夏休みでさぼり気味だった(?)毎日の治療をもう一度見直す時期です。さて、今回は、鼻炎と喘息の深い関係について解説します。

今月の話題「鼻炎と喘息、その深〜い関係」


 気管支喘息は、その名前の通り気管支(肺の一部)の病気であり、鼻炎とは全く別の病気と考えられてきました。しかし、実際には、喘息小児の約7〜8割はアレルギー性鼻炎を併発しており、また喘息小児の約5割は副鼻腔炎(第37号参照)になった経験があると言われています。このような事実から、最近では鼻炎と喘息は相互に関係し合っているので、喘息の治療と共に鼻炎の治療も行った方がよいと考えられてきています。
鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎
 ・環境整備(ダニ・花粉・ペット対策)
 ・点鼻薬(抗ヒスタミン薬、吸入ステロイド)
 ・内服薬(抗ヒスタミン薬など)
副鼻腔炎
 ・鼻汁・痰をきれいにする薬(ムコダイン、ノイチームなど)
 ・抗生物質(ペニシリン系、セフェム系)
 ・マクロライド少量長期療法

 一方、最近の喘息治療は吸入ステロイドを中心とした吸入療法になってきているため、以前のように内服薬で喘息・鼻炎・皮膚炎すべてを治療するということがなくなってきました。そのため、鼻には鼻専用の治療を行う必要が出てきています。具体的な治療法を表に示しましたが、アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎ではその治療に大きな違いがあるために、両者を区別する必要があります。まず、アレルギー性鼻炎では、「くしゃみ・はなみず・はなづまり」が代表的な症状で、子供さんの場合には花粉症というよりもダニアレルギーによる鼻炎が多く1年中鼻の調子が悪いとことが多いようです。また、副鼻腔炎は膿性(黄色っぽい)鼻汁や痰のからんだ咳が主な症状となります。両者を合併することもしばしばあるので、気になる症状があった場合には外来主治医あるいは耳鼻科医にご相談ください。

「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対策マニュアル」が出来ました!

   日本小児アレルギー学会内の食物アレルギー委員会では、食物アレルギー児が学校で食物によるアナフィラキシーなどの重篤な症状を起こした時の対応についてのマニュアルを作成しました。食物アレルギーに対する一般的な知識、食事療法や薬物療法の実際、アナフィラキシーへの対応方法など詳しく記載されています。学会のホームページよりどなたでもダウンロードできますので、関心がおありでしたらご覧になってください(外来にも一部置いてあります)。    日本小児アレルギー学会HPへ 
【編集後記】 落雷・ハリケーン・地震・津波と自然の驚異を思い知らされる今日この頃です(郵)
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 05.09.01
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