アレルギー外来ニュース 平成17年9,10月号

第77号 2005年9,10月

 いよいよ、秋。夜も涼しくなって、ようやくゆっくり眠れる季節になってきましたが、咳やゼーゼー、皮膚の痒みなどで眠れない夜をお過ごしではありませんか? 今回は、ちょっとまじめな話題です。

今月の話題「乳幼児へのテオフィリン製剤の使用、
    ちょっとヤバイ?!」

 喘息のお薬にはいろいろな種類がありますが、大部分は比較的安全なお薬と考えられていました。しかし、最近小さいお子さんでテオフィリン製剤による副作用とも考えられる症状の報告が出てくるようになってきました。テオフィリン製剤は、以前から大量に服用すると頭痛や吐き気、さらにはけいれんなどの症状が出現することが知られていましたが(第50号参照)、最近小さいお子さんでは通常量でも同様な症状が、稀ではありますが起こりうると考えられてきています。
抗ヒスタミン薬の分類
 主なテオフィリン製剤
内 服テオドール、テオロング、ユニフィルなど
注 射ネオフィリン、テオドリップなど
座 薬アルビナなど

これらの症状は、特に以下の方に起こりやすいと考えられています。 ・熱性けいれんやけいれん性疾患のある乳幼児
・これらの疾患がご家族におられる乳幼児
また、以下の状態の時にも注意が必要です。
・発熱時、感冒罹患時
・特定の薬剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)との併用時

そこで、服薬する際には以下の点に注意していくことが大切です。
・お薬の効果と副作用についてよく主治医と話し合ってください
・吐き気がする、興奮する、寝付きが悪くなるなどの症状が出てきた時には、服薬を中止して主治医にご相談下さい
・投薬量を高めに設定しているお子さんでは、発熱時や感冒罹患時に服用方法を変更する(内服中止や半量内服など)場合がありますので主治医とご相談下さい
・かかりつけ医以外を受診された時には、テオフィリン製剤を服用していることを担当医にお伝え下さい
・定期的に服用しているお子さんは、血液中のお薬の濃度を時々測定しましょう
・発作時には点滴や坐薬でテオフィリン製剤が使用される場合がありますので、担当医とご相談下さい

 なお、当科で処方中の大部分のお子さんは投薬量を低めに設定していますので、上のような副作用が出現する可能性は低いと思われます。また、学童以上の方では、抗けいれん薬を服用しておられる方を除いて、心配いりません。


「Q&A」

Q:何故、乳幼児に起こりやすいのか?
A:乳幼児では脳神経の発達が十分ではないために、高熱時のひきつけ(=熱性けいれん)をおこすことがありますが、学童期以降では極めて稀です。また、乳幼児は薬物の代謝能力(お薬を体内で分解する力)も未熟であり、発熱や脱水などでその能力が容易に低下します(エリスロマイシンなどの特定の薬物でもこの能力は低下します)。このように、脳や薬物代謝能力の未熟性があるために、乳幼児へのテオフィリン製剤の使用は注意が必要と考えられます。
富山医科薬科大学小児科アレルギー外来

last modified 05.10.03
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