アレルギー外来ニュース 平成18年1−3月号

第79号 2006年1−3月

 この冬は大雪だったせいで来るのがとても待ち遠しかった春にとうとうなりました。昨年の春と違ってスギ花粉の飛散量が少なくなっていますが、花粉症の方々にはどのような春でしょうか? 今回は、食物アレルギーなどで引き起こされる重篤な症状(アナフィラキシー)について解説します。

今月の話題「アナフィラキシーって?」

 赤ちゃんに初めて鶏卵入りの離乳食をあげたところ、直後から口やまぶたの周囲に蕁麻疹が出現し、見る見るうちに全身が発赤して機嫌が悪くなり、急いで病院に連れて行ったという経験をお持ちの方もおられることでしょう。このような強いアレルギー反応をアナフィラキシーと呼び、症状が急速に進行して時に死にいたることもあります。

表1 即時型アレルギーの症状
臓 器   症 状アナフィラキシー
の定義
皮膚・粘膜かゆみ、蕁麻疹、発赤疹、
結膜充血、流涙、眼瞼浮腫
多臓器に症状が出た
場合に、アナフィラ
キシーとする
消化器吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
上気道口の中や喉の痒みやイガ
イガ感、喉の奥の腫れ
(息苦しい)、くしゃみ、
鼻水、鼻づまり
消化器咳、ゼーゼー、呼吸困難
全身性脈が早くなる、顔色不良、
ぐったりする、ボーとする
アナフィラキシー
ショック

 即時型のアレルギー反応(通常は特定の物質と遭遇してから2時間以内の発症)が多臓器に出現することをアナフィラキシーと呼び、ぐったりしたりする・意識がボーとするなどの全身性の症状を呈した場合にはアナフィラキシーショックと定義しています。このような状態を呈するアレルギーとしては、即時型の食物アレルギー(第35号参照)、蜂などの昆虫アレルギー、ペニシリンなどの薬物アレルギー、天然ゴムなどのラテックスアレルギーなどが挙げられます。その対策としては(表2)、まずはリスクとなる物質(食物など)を特定し、それらが体内に侵入しないようにすることです(食物アレルギーに対する食物除去、第36号参照)。一方、喘息を合併しているとアナフィラキシーの症状が重症化しやすいので、喘息の管理もきちんとして起きましょう。また、保育・教育の場や外食中に起こる可能性がある誤食への対策も重要ですので(第74号参照)、実際に起こった場合にどう対応するかを事前にかかりつけ医と相談されておかれることをお勧めします。最後に、広く社会全体にアナフィラキシーの存在を知ってもらうための活動が是非とも必要だと思っています。

表2 アナフィラキシー対策
・リスクの認識
  −原因物質の同定
  −重症化リスクの有無 

・リスクからの回避
  −食物除去
  −誤食対策

・啓発活動
  −社会における理解

ガイドラインの概要をネットでゲット!


 日本小児アレルギー学会のホームページから、昨年11月に発表されました「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」の概要をご覧になることができます。興味のある方は、日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」までどうぞ。
【編集後記】 最近は、インターネット環境も便利になってきましたね(遊)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 06.03.14
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