アレルギー外来ニュース 平成18年4−5月号

第80号 2006年4−5月

 最近の天候は本当に目まぐるしく変化して、ついていくのが大変です。このような大きな変化で喘息やアレルギー性鼻炎の調子が思わしくない方も多いのではないでしょうか。今回は、昨年秋に改訂された「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」内の「乳児喘息」の項目について解説します。

今月の話題「赤ちゃんがゼーゼー、これって“喘息”?」

 子どもは何歳ぐらいから喘息になるのかご存じですか? 日本の調査では、3歳までに約6割、6歳までに約9割の子ども達が喘息と診断されています。では、これらの子ども達は、初めてゼーゼーした時に喘息と診断されているのでしょうか? 実際にはそうではないことが多く、「赤ちゃんの頃から風邪を引くと時々ゼーゼーしていたが、苦しくなさそうだったのでそのまま様子をみていたところ、最近ゼーゼーすることが多くなり、夜には息が辛そうで寝苦しい時もある」という方も多いようです。では、どこからが喘息でどこまでは喘息ではないのでしょうか? もともと小さい子どもは、気管支が細いために痰もたまりやすく、風邪や気管支炎だけでもゼーゼーしたり、息が苦しくなったりすることがあります。一方、最近の調査から「ゼーゼーする小さい子どもの約半数は将来明らかな喘息になる」ということがわかってきました。そこで、今回のガイドラインでは、ゼーゼーを繰り返す子どもを喘息と早めに診断して、早期から治療すること(「早期介入」と呼んでいます)が示されました。具体的には、「1歳以下の子どもで、気道感染の有無にかかわらず明らかな呼気性喘鳴を3シリーズ以上繰り返した場合」 に乳児喘息*と診断することになりました。もう少し簡単に現しますと、「風邪と関係があってもなくても、息を吐くときにゼーゼー・ヒューヒューがはっきりと聞き取れるようなエピソードが3回以上あれば」ということになります。その際、表にあるような項目が陽性なら、将来明らかな喘息になる可能性がより高くなると記載されています。もちろん喘息と診断されたからと言って、全員がお薬を飲み続けなければいけないという訳ではありません。季節の変わり目に軽くゼーゼーするだけの場合には、ダニやタバコなどへの環境整備を心がけるだけで十分です。しかし、ゼーゼーのエピソードが月に1回以上のペースになった場合には、抗アレルギー薬や吸入ステロイドなどの「長期管理薬」を数ヶ月以上にわたって服用する治療が必要となってきます。 *乳児喘息:「乳児」とは一般的には0歳児を指しますが、乳児喘息は0歳児と1歳児が対象となります。

富山で学会が開かれます!


 6月10日と11日の2日間、富山市の国際会議場において「第23回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会」が開催されます。「難治喘息」というと難しく思われるかもしれませんが、参加者の半分は看護師、薬剤師、理学療法士、心理療法士、栄養士、養護教諭、保育士、患者の会のメンバーなど実に多様な方々で、日常の生活上の注意点なども含めた発表があります。
【編集後記】 インドネシアで、また大きな地震がありました。皆さん、災害に対する備えはいかがですか(You)
富山大学小児科アレルギー外来

last modified 06.06.09
maintained by Yuichi Adachi